ジョリーグッド の「楽しい」を探る
工場でVRを活用した例とメリット・デメリット

VR(ヴァーチャルリアリティ)の歴史は古く、パイロットのためのフライトシミュレーターとして開発され、高価な実機を使用せず操縦技術の習得を目的に利用が始まりました。
現在は主にHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して、ディスプレイ上に広がる360度の奥行きのあるリアルな仮想空間の中に身を置き、さまざまなイベントや環境を体験できるツールとして、利用シーンが顕著に拡がっています。
ここでは、工場でVRを活用した例と、そのメリットとデメリットを説明します。
工場の安全に対する教育や研修に携わる労務担当の方は、ぜひ参考にしてください。

 

■VRが工場で活用されている実例

実際に自分がその場にいるようなリアルな体験が得られるVR(ヴァーチャルリアリティ)は、通常の2次元映像コンテンツや座学よりも短時間で高い学習効果を得られることが特徴です。
視聴覚コンテンツではなく、伝えたいポイントがよりリアルな仮想空間の中で疑似体験できるからです。
では、VRが工場で活用されている実例を見ていきましょう。

 

・株式会社ジョリーグッドの「Guru Job VR」

 

https://gurujobvr.com/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000020924.html

 

ジョリーグッドの「Guru Job VR」は、高度なVR技術と独自のVR内行動解析AIエンジンを組み合わせ、安価ながら高機能で学習効果の高い「スマートVR研修」をワンストップで提供するソリューションです。工場に潜在する危険やリスクを忠実に再現し、臨場感あふれるリアルな仮想空間を繰り返し体験することで、安全に対する意識を高め、危機管理に役立つオリジナルコンテンツを広く手掛けています。
製鉄所の保守管理修繕などを手掛けるシンニチロでは、普段立ち入ることの難しい製鉄所の仕事を分かりやすく、360度の高精細VRでリアルに体験できる「仕事体験VR」を共同開発しました。求職者が仕事を実際に疑似体験することで、就労後のミスマッチを防ぐためのコンテンツとして利用されています。

 

・トヨタ自動車株式会社が工場に導入したMR

 

https://www.lattice.co.jp/events/reports/2017/0807-seminar2017-toyota

 

トヨタ自動車では、「仮想と現実を融合したトヨタ流ものづくり改革への挑戦」をMR(複合現実)の導入により具現化しました。
リアルなVR(仮想空間)の技術と実際の映像を重ね合わせ、3Dデータの可視化により、コストのかかる実物の試作品を作らずに、デジタル空間上で作業性を検証することが可能となり、工場の生産性の向上がはかられます。
また、MRの導入により何度も試作品を作り直す、手戻りを減らす効果が期待できます。

 

 

・株式会社エフピコの「バーチャル360度工場見学ビューワー」

 

https://hacosco.com/cases/fpco/

 

使用済みトレーやPETボトルを再生して、食品トレーや透明容器へリサイクルする、世界初の「循環型リサイクル」を可能にした、エフピコの工場内のリサイクル工程を360度のVRで再現しました。
リサイクル工場の現場を知ってもらうことで、循環型リサイクルの参加を促す目的により制作されました。

 

・和信産業株式会社の「VR工場見学」

 

https://www.washin-s.co.jp/blogs_vr.html

 

資材調達から、溶接や塗装、曲げや切断まで加工を行う、鉄のスペシャリストである和信産業は、普段見る機会のない鉄加工の設備や工場内部をリアルなVRコンテンツで紹介しています。
実際の工場内部や仕事の様子を臨場感のあるVRで体験する「VR工場見学」は、求職者の方が安心して長く就労できるための、リクルートコンテンツとして利用されています。

 

■VRを工場で活用するメリット

工場でVRを活用するメリットについて考えてみましょう。
まず、OJTではなかなか時間のかかる、複雑な組み立て工程の習得や技術の継承を、何度も反復して体感的に学べることがメリットとして挙げられます。
また、研修トレーニング中のミスも、経験として残ることはあっても、実際の現場には影響がでないため、伸び伸びと安心して受講できることが大きなメリットです。
また研修施設を使用し、大勢を集めて集合研修をしなくても、工場から遠く離れた会議室や休憩室、食堂、自宅で、時間を問わずに個人レベルの研修が可能です。偏りのない質の高いリアルな疑似体験は、VRならではの特徴と言えるでしょう。
加えて、開発や試作の段階では、3次元データと連動することで、試作品やモックアップを作るコストや時間が短縮でき、生産性や質の高い検証ができることも大きなメリットです。

 

■VRを工場で活用するデメリット

VRを使って実際の工場の仕事内容を覚えたり、技術の継承を行ったりするような場合は、リアルで再現性・没入感の高いVR映像を制作する必要があります。
そのためには、専用VRカメラを使って360度の奥行きのある映像を撮影し、ナレーションや解説を挿入して、分かりやすく、没入感の高いコンテンツに仕上げるための編集作業を行います。
こうして完成したVRコンテンツは、通常のビデオ映像以上に、時間と手間もがかかるため、制作費が割高になってしまいます。
また、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などの体験用のVR機材を用意する、初期費用がかかる点もデメリットと言えるかも知れません。

■今後製造業(工場)にVRは活用されるのか

前述の通り、物づくりの現場である、製造業の工場にVRを導入するメリットは多く、作業効率や生産性の向上に加え、工場内で働く人の安全意識を高める手法としても有効性が認められています。
VRの活用は、人件費や開発費の削減とともに、工場が抱える課題や問題の新たな解決手段としても期待され、今後ますます導入が進むと推測できます。

 

 

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