JOLiC https://jolic.jollygood.co.jp ジョリーグッドの「楽しい」を探る Fri, 27 Nov 2020 03:50:48 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.2.15 コロナ禍にあっても、よりリアルなVR研修コンテンツで、医療教育にソリューションを! ジョリーグッドのVRが担う課題解決への役割 https://jolic.jollygood.co.jp/company/2169/ https://jolic.jollygood.co.jp/company/2169/#respond Thu, 26 Nov 2020 15:00:39 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=2169 [...] ]]>

 

研修や実習時間の不足、地域格差、そしてコロナ禍。今、さまざまな大きな問題に直面しているのが医療教育の現場です。その解決に、VRの力が役立つのではないか。そう考えた日本医科大学とジョリーグッドがタッグを組んでコンテンツの開発し、運用をスタートさせました。担当者である事業開発部の藪田遼さんに、プロジェクトの意義と目標をお聞きします。

 

 

VRで医療教育の課題解消に貢献

JOLiC編集部(以下、編集):藪田さんは、今、日本医科大学の担当者としてお仕事をされているんですよね。きっかけは先方から問い合わせメールが来たことだとか?

藪田 遼(以下、藪田):はい。私は営業戦略部の営業ですので、日々どういうところからお問い合わせがあるのかということはいつもチェックしています。今までさまざまなジャンルのお客さまから問い合わせがある中で、医師の先生から問い合わせが来ていたので、ちょっと珍しいなと。何かジョリーグッドがお役に立てることがあるんじゃないかと、私が対応させていただくことにしたんです。

編集:それで、すぐに連絡をとってお会いになったわけですね。

藪田:はい、その時点で代表の上路と一緒に、VRゴーグルを持って先方に伺いました。手術中の整形外科の手技を医師目線で体験するコンテンツを見ていただいたところ、先方の先生も自分がいつも手技をやっている感覚に近いという意味で、かなり感動されていました。最初のリアクションから「これは医療教育に有用だ」ということをおっしゃっていただきましたし、今までの課題を解決できるのではという期待の目を向けてくださっているという印象は受けました。

編集:その先生が感じておられた医療教育の課題はどういうところにあったのでしょうか。

藪田:先生は日本医科大学の教授として授業も担当されているのですが、学生さんが手術に実際に立ち会うということにかなりハードルを感じておられました。今までの教育は座学を中心としていて、そこにシミュレーターを使った授業をプラスしていたんですけど、いざ学生さんが研修や実習で現場に入ると、シミュレーターとのギャップがあまりに大きくて、自信がめちゃくちゃ落ちてしまうというんです。

編集:シミュレーターで見ていたものと現場が全然違って、混乱してしまったり、自信を失ってしまったりすると。

藪田:そういうデータが実際に出ていたそうです。シミュレーター自体も人体模型なので、手順自体はある程度理解できると思いますが、現場の空気感や他のスタッフの動きは体感できませんよね。ここのギャップをどうにか埋める方法はないか、と。それには、臨場感があってリアリティが感じられるVRが有用なんじゃないかということで、問い合わせをいただいたわけです。

編集:すぐにコンテンツを作ることになったのですか?

藪田:いえ、作りたいというお話にはなったんですけど、VRをゼロから制作するとなると、けっこう資金面がハードルになりまして、実は1回流れそうになったんです。しかし、相手の先生の熱意も感じていましたし、ジョリーグッドとしてもそれにお応えするべく、医療教育を発展させるためにベストなかたちを模索し、実現にこぎつけました。

 

 

コロナ禍でも充実した授業を実現

編集:実際にそのコンテンツが授業で活用できるようになったのは2019年とのことですが、一方、今年に入ると新型コロナウイルスの影響を受け、大学の授業がガラリと変わったと思います。藪田さんの仕事にも何か影響がありましたか?

藪田:医療機関さんはそういったことにとても敏感ですので、早くから影響がありました。日本医科大学さんでいうと、2019年12月頃に予定していたイベントが延期になり、4カ月ぐらいは毎月「いつ頃できそうですか?」と定期的に連絡を取り合っていたんです。そうした中で、「イベントどころか授業も全然できず、本当に困っているんだよね」という話をチラッと伺いまして。「あ、そうなんですか……」とお返事する一方で、これ、VRで解決する方法が何かあるんじゃないかな?と思いまして。

編集:何かひらめいたんですね?

藪田:当時、社内でリモートVRシステムを検討していましたので、もしかしたら良い機会かなと。我々のVRって、タブレットとゴーグルを接続させて、タブレットで再生や一時停止ができたり、タブレット上で「ここ見てください」と矢印を書いたら、VRゴーグル上で見たりできるようになっているんです。そのVRゴーグルを生徒さんの自宅にお送りして、先生は大学などでタブレットを使えば、通学できなくてもリモートで授業ができるのではないかと提案しました。

 

 

編集:学生さんが50人いたら50人にそれぞれゴーグルを送って、同時に受講してもらうんですか?

藪田:そうですね。もちろん、いきなりその規模で運営するのは難しいので、最初はスモールスタートといいますか、ちょうどそのタイミングで実習に来られていた生徒さん3〜4名で、実験的に始めさせていただきました。

編集:先生が実際に授業をしている。それを自宅にいながら受講できる。

藪田:そうです。実際はzoomみたいなオンライン会議システムで授業を行い、VRで実際の症例を見てみようという流れになった時に、「じゃあみなさんゴーグルかぶってください」と。そこで見る映像をタブレットで一斉に操作するというようなイメージです。

編集:例えば先生が処置のところで映像をストップして、「ここがこうなんだよ」と説明したりできるということですか?

藪田:はい、そうですね。コミュニケーション自体はzoomで通常どおりできるので。

編集:それはすごく理解しやすいですね。

藪田:そうなんですよ。その次の回が5名くらいだったかな。その時にテレビの取材が入ったりして、だんだんと規模が大きくなっていきました。VRゴーグルも、日本医科大学さんに置いてあるゴーグルが今は30台なんですけど、今後は100台以上に増やしていくという意向がありますので、どんどん規模を広げ、一歩ずつ、現実的な段階に進んでいっている感じです。

編集:講習を受けられている生徒さんの反応はどうでした?

藪田:やはり、VRを体感する前と後だと、質問のしかたというか、テンションが変わりますね。たぶん講義だけだと実際のところがなかなか想像できなくて、質問が出ない場合もあると思うんですけど、VRでリアルに体験することで自分ごと化できるというか、質問もかなり白熱しました。

 

 

医療領域でのニーズの高まりを実感

編集:もしかしたら、医療教育というのは、いかに自分ごと化してもらうことが一番大事なことかもしれないですね。テレビなどでは、手術室にガラス張りの見学スペースが併設されているのを見ることがあるのですが、あのように手術室全体を俯瞰する感じでしょうか。

藪田:あれはどちらかというと第三者的に医師の先生や助手の動きを見ていると思うんですけど、我々のVRだと、執刀医や助手、看護師といった方たちに憑依するような目線でコンテンツを作り上げるので、見え方がよりリアルで、質の高い情報が得られるのかなと思います。

 

 

編集:なるほど。しかも今年のようなコロナ禍の時期だと、研修すら受けにくくなる。そうすると、卒業に必要な単位すらどうなるかわからない。そういうところにVRが有用だということですね。

藪田:まさしくそうです。今問い合わせいただいている他の大学病院さんも、研修ができないから単位が与えられないのだけれど、学生さんたちは国家試験を控えている。なんとかそれまでに現場実習を終えて単位を与えたいという課題に本当に悩まれていて、そこにVRは使えないかというお問い合わせはいただいています。

編集:医療教育におけるVRのニーズは高まっているとお感じになりますか?

藪田:すごく実感しています。私が入社したのは2年ほど前なんですけど、その頃は「VRってどう使えばいいのかわからない」「VRで研修?どういうことですか?」「ゲームじゃないの?」みたいな感じだったんですよ。それから比べれば、今はより具体的に「ここの手技の研修にVRを使いたいんですけど」といった内容で問い合わせが来るようになったので、だいぶ世の中で常識化されているな、研修課題の解決策としてVRはかなり有力な位置にいるなと思いますね。

 

 

人の命に関わることの責任と使命感

編集:入社された頃の藪田さんはジョリーグッドでこれがやりたいとか、こういうことでVRを使ってみたいという考えはあったのですか。

藪田:私の前職は機械系のメーカーでして、海外のオイルプラントや電力発電所などで使用する機械を納品したりしていたんです。

 

 

編集:現職と全然違いますね(笑)。

藪田:そうなんですよ(笑)。そういった業界って、海外にエンジニアを派遣しないといけないんですね。私が担当していたエリアは、ナイジェリアやアルジェリアといった石油が採掘できるアフリカの地域だったのですが、日本に比べると治安が悪く、そこにエンジニアを日本からわざわざ派遣するとなると結構ハードルが高いんです。でも、たとえばプラントで機械が壊れた場合、プラント自体が止まったら1日何億円という損失が出ますから、クライアントとしてはすぐに人が必要になりますよね。

編集:それはそうですね。

藪田:そういう中で、たまたまVRという技術を知り、わざわざ危険な地域に人を派遣しなくても、VRを活用して現地の人たちが自分で故障やトラブルを解決できるようにしてあげられるなら、すごく有効なテクノロジーだなと思ったんです。そこからVRに興味を持ったという経緯がありますので、ジョリーグッドに入った時は、どちらかというとプラントとか機械系の技術伝承にVRを活用したいと思っていました。

 

 

編集:実際、ジョリーグッドはそういった企業研修にも長けていますからね。

藪田:ただ、今はやはり医療の領域に力を入れるべきだと考えています。医療業界ってアメリカなどでもそうなんですけど、先端技術を取り入れるのが一番早い業界といわれているんですよ。長期的には製造業やプラントなどでの活用にも広がっていくと思いますが、今は医療業界がどんどん発展していく領域なんだろうなと感じています。

編集:それだけ医療領域にはすぐにでもVRを必要としている部分が多々あるということでしょうね。そのぶん手応えというか、やりがいがありますか?

藪田:すごくありますね。何かしらのかたちで人の命を救うことに関われるというのはモチベーションにつながります。今までそういった意識はあまりなかったんですけど、手術VRの制作などで現場に入り、先生方の意思決定の早さなどを目の当たりにすると、あ、この人たちは本当に「人の命と向き合っている」のだなと、その責任の重さと使命感の強さを感じるんです。自分にとっては、それがとても良い影響になっていると思います。

 

 

鈍感力と加点方式がジョリーグッドのキーワード?

編集:ジョリーグッドでは今年、ECMOのトレーニングツールも早急に開発しましたが、医療現場は常に時間との戦いで、すぐにでも対応が必要となる場合が少なくありませんよね。

藪田:その点では、ジョリーグッドのスピード感が大きな強みになっていることを実感しています。どのフェーズでも反応がめちゃくちゃ早い。私の場合、前職では重工業という歴史の長い業界にいましたから、どちらかというと時間の流れがゆったりしていて、それこそ1週間以内にメールを返信すればOKみたいなテンションで(笑)。その点からするとジョリーグッドは全然桁が違うというか、社内コミュニケーションツールで30分以上返信していないと、ちょっと遅かったかな?って焦るぐらい、周りの動きが早いんですよ。

編集:ちょっとプレッシャーですね(笑)。

藪田:そうですね。あ、もちろん良い意味で(笑)! 質問したことがすぐに返ってきて仕事がスムーズに進むこともあって、本当に助かっています。そういった一つひとつのスピーディなコミュニケーションの積み重ねで、開発の早さが実現できているんじゃないかと思います。

編集:ジョリーグッドは若い社員が多いこともスピード感につながっているかと思いますが、藪田さんも20代ですよね?

藪田:はい、今28歳です。

編集:これまでの日本の企業は、難しい仕事になればなるほどベテランの社員を担当につけて、さらにその上に管理職が入ってという体制が多かったのではないかと思います。でもジョリーグッドではそういう文化は一切なく、若い社員をどんどん動かしてスピーディに対応するのが普通ですよね。

藪田:そうですね。そのぶん責任もありますが、プレッシャーにはならないです。なぜかというと、どの上司もかなり男前というか(笑)、うまくカバーしてくれるだろうという信頼感があるからなんです。何かミスがあった時もそうですし、ふだんでもそういう心理的なバックアップがあるから、若い社員でも経験不足でも、堂々と先方と向かい合える。

編集:おおっ、就活中の人たちがこの記事を読んだら、今の言葉がすごく響きますね。

藪田:ですよね、そのために言いました(笑)!

編集:やられた(笑)。でも、仕事上でどんなに厳しいシーンがあっても、任せられる部分とフォローしてもらえる部分が両方あると、気持ちを強く持って働けますよね。

藪田:そうですね。うちは結構ポジティブな人間が集まっているので、ピリピリした空気になることもありませんし、あんまりプレッシャーを感じたことはないですね。社内の雰囲気がすごく良いので、そこで生まれている信頼から、勝手に「みんな助けてくれるだろう」って思えているのかもしれないですね。

編集:藪田さんだって、常に順風満帆というわけではなく、失敗したこととか、落ち込んだこととかありますよね?

藪田:はい、落ち込んだことも…うーん、あります。

編集:なさそう(笑)!

藪田:そうですね。鈍感力が強くて(笑)。

編集:鈍感力(笑)。でも、その鈍感力って大事かもしれませんね。こういう動きが速い会社にいると、きめ細やかにあれこれ気にしすぎているとその間に次の仕事がどんどんやってきて、周囲のスピードに追いつきにくくなってしまいそうですから。

藪田:そうかもしれないです! 「次」がどんどんやってきますし、一つのミスや落ち込むようなことがあっても、やるべきことが他にいっぱいあるので、あまり気にならないんです。社内でも、加点方式というか、何か良い提案や動きをすれば、どんどん評価してどんどん機会を与えられますから、マイナス部部分は消えていきます。

編集:鈍感力と加点方式で、気持ちもプラスにしていけるわけですね。

藪田:そうですね、はい!

 

 

スピード感を武器に、世界の医療を支えたい編集:藪田さんは今、新たに手がけているプロジェクトはありますか?

藪田:手術室にVRカメラを設置して、熟練医師の手技をはじめ、第一助手やベテラン看護師、メディカルエンジニアなど治療現場にいる専門スタッフの視野を高精度な360°VRカメラでライブ配信する「オペクラウドVR」というシステムがあります。これを、我々が実際に撮影に行かなくても全国の病院や施設で自動的にコンテンツを作れるようなシステムにバージョンアップし、それを医療研修のクラウドにあげて、全国どこでもシェアできるようなサービスを築いているところです。

編集:そのコンテンツを、全国の学校で医療研修に活かせるようにするということですか?

藪田:そのとおりです。学生さんも、地方の病院に研修に行っても多くの症例を学ぶ機会があまりないので、どうしても大都市の病院での研修を希望します。それによって結果的に医師の遍在化問題が生じてしまうんです。そういった中で、VRの活用によって少なくとも教育の面においては学ぶ機会を均一にできれば、その遍在化問題の解決にもつなげられるのではないかと願っています。

編集:確かにそうですね。地域ごとに教育の内容に差がついてしまうのはとても残念ですし、それによって医療にも格差が生まれるのも心配です。

藪田:はい。かつ、働き方改革で研修時間もどんどん少なくなっていますから、短時間でより質の高い研修を求められます。物理的な時間が取れないことで、どんどん医療の質が下がっていくのは大きな問題ですので、VRのような技術によって、今までより水準を下げない、もしくはそれ以上の水準を築くための環境を整えることが大切だと考えています。

編集:ましてや今はコロナの時代ですからね。どこにいても同じ水準の医療が受けられるためには、VRが大きな役割を担っていきそうですね。

藪田:もっと言うと、僕は海外が好きなので、世界レベルで先を見ています。日本の地方と都会の話だけではなく、新興国と先進国とでも同じ問題があると思いますので、世界レベルで医療の水準を均一化できたら、もっと世の中や人類が良い方向に向かえるんじゃないかなと思います。

編集:ジョリーグッドのスピード感であれば、その日はきっと実現できそうですね。楽しみにしています!

 

 

Profile

藪田 遼 Ryo Yabuta

立教大学法学部国際ビジネス法学科卒。海外ビジネススクールに1年間留学。インターンとしてベトナムでレストラン立ち上げを経験。新卒入社した会社にてプラント・インフラ向け機械の海外営業を経て、2018年より現職。医療分野を中心としたソリューションの個別提案や事業開発を手がける。

Photo/Jiro Fukasawa

 

]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/company/2169/feed/ 0
VRがwithコロナ時代の医療教育を変える! 人工心肺ECMOトレーニングVRが築いた大きな一歩 https://jolic.jollygood.co.jp/company/2105/ https://jolic.jollygood.co.jp/company/2105/#respond Sun, 11 Oct 2020 23:01:25 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=2105

ジョリーグッドは、新型コロナウイルス感染による重症呼吸不全の治療に使用する人工心肺ECMO(Extracorporeal Membranous Oxygenation)※1の教育組織「日本COVID-19対策ECMOnet」(エクモネット)と共同で、ECMOトレーニングVRを開発。現在このツールを使った講習会が全国で開催されています。今回はこの経緯について、営業戦略部の細木豪部長に話を聞きました。 ※1:重症呼吸不全患者または重症心不全患者(時に心肺停止状態の蘇生手段として)に対して行われる生命維持法   大きな可能性を感じた、VRと医療のマッチング JOLiC編集部(以下、編集):ここ数年ジョリーグッドでは、医療領域でのVR活用に力を入れていますね。 細木豪(以下、細木):医療とジョリーグッドの出会いは2年半ほど前になります。それ以前からVRは人材育成の分野で活用が広がり始めており、欧米では各種エビデンスも発表され始めていましたので、ジョリーグッドも採用や研修での活用を意識した開発制作を進めていました。それに着目した医療関係のクライアントから、医療の教育、特に名医の手技を後継者に伝播していく“技能伝承”に活かせないかと、オファーをいただいたのがきっかけです。 編集:手技というと、たとえば実際の治療や手術などで医師がどう手を動かしているかを、後継者となる研修医の方たちがVRで見て学ぶということですか? 細木:そのとおりです。術者当人の目線に立って没入体験ができるという点が、医療研修ツールとして最適なのではないか、と。実際、制作したコンテンツは、クライアントの意図とVRの特性が非常にマッチしたものになりました。そこからジョリーグッドの医療研修用ツールの有用性がだんだんと注目されるようになり、さまざまな病院や医療機器メーカーなどからお声がけいただけるようになりました。 編集:ECMO研修ツールの開発には、そうした背景があったのですね。 細木:はい。私としても、医療領域を本格的に手がけるようになってから、マッチングの高さを実感しました。他の業種と比べてもVRならではの特性を相手にイメージしもらいやすいジャンルだな、と手応えがありました。先方からも、「こういうことに使えるかもしれない」「これもできるかも」とそれまでにない反応が出てきて、これは本腰を入れてやるべきだ、と。そこで、医療関係を重点的に営業活動していくことを会社にも伝え、徹底的にネットワークの構築を進めていきました。また、もっと医療を深く知らなければと思い、自ら志願して担当案件を持ち、直接課題を吸い上げるようにもしていきました。   新型コロナウイルスが高めた医療教育ツールの必要性 細木:もう一つ、タイミング的に、医療の教育という面で現場がさまざまな課題を抱えている時期にあったことも大きかったですね。働き方改革が病院でも進んで、若い研修医の方たちが遅くまで病院に残ることができなくなっているんです。 編集:勤務時間の短縮化ですね。 細木:これまでは病院の仕事の後の時間を研修や教育に当てられていたんですけど、今は若い医師たちが教えを請うたり自分で学習したりする時間が持ちづらくなっていきています。じゃあそういう中でどうやって効率よく教育を行うのか、という課題がバックボーンにあり、そこにVRの可能性がマッチしたわけです。 編集:研修医のための新しい教育ツールという時代のニーズに、タイミングよくVRが刺さったと。細木:今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、その課題をさらに明確にしたと思います。テレワークという新しいワークスタイルが推し進められ、自宅にいながら遠隔リモートで学習しなければいけないという要素がさらに加わって、バーチャル研修の必然性がいやがおうにも高まりました。今までの学習スタイルは、受講者が密接してシミュレーターや模型などを使いながら実際に手を動かして覚えていったり、大勢が集まってセミナーや学会に参加したりすることができなくなったわけですから。 編集:確かにそのスタイルは圧倒的に集合・近接型ですからね。 細木:そうなんです。しかもそれに代わるものがあるかといったら、全くないという状況だった。そこで我々のソリューションがバチっとハマったのかなと。医療の中でも救命救急の分野でいうと、病院間のネットワークがある程度できあがっていて情報交換や症例見学などで地域を超えた行き来があったのですが、そういったことも今はできなくなっています。各病院をつなぐツールという点でも、VRは期待されていんだと思います。   ひっ迫した現場が求めたECMOトレーニングVR 編集:そうした中で、日本COVID-19対策ECMOnet(以下、ECMOnet)とのVR研修ツール開発がスタートしたわけですね。 細木:はい。新型コロナウイルス感染による重症呼吸不全の治療に使用する人工心肺ECMOについては、もう皆さんよくご存知だと思います。ECMOnetは、コロナ禍が厳しくなってきた本年2月、ECMOを使った治療に関わる医療従事者有志が集まって発足させたチームです。その後、感染拡大が最初のピークをむかえると共にECMOが足りなくなり、とにかくできるだけ各施設に供給しようと国が体制を整えて増産に入りました。 編集:ニュースなどでもECMOに関する報道が続き、一般の人たちも不安になりました。 細木:ところが、ECMO自体は病院に入る体制ができたものの、フタを開けてみたら、それを使えるスタッフが足りていないということになったんですね。研修を受けていないと扱うのがとても難しい装置だということがそこで露見され、じゃあ教育や研修をどうしていくのか、という話になったわけです。 編集:なるほど……。 細木:その時点で、今までいろいろと意見交換させていただいていた何人もの先生方から連絡をいただくようになっていたんです。「ECMOって実はものすごく扱うのが大変で、いろんな人が操作に携わるものなんだけど、前に聞いていたVRを研修に使うことはできないかな?」とか「スタッフそれぞれの視点で状況を見ることができるVRだったらECMOの研修にぴったりだと思うから、ジョリーグッドさんでトレーニングツールを作れないかな」と、同時多発的に。 編集:それだけ切実な課題だったんですね。 細木:そこで調べてみたところ、「ECMOnet」という、日本におけるECMOの情報を集約し、教育を一手に担っている組織があることがわかりました。すぐに連絡し、VR教育の可能性についてお伝えしたところ、ちょうど新しい学習ツール導入の必要性を感じられていたと。そこでバチッと話が合って、やってみようという流れになったわけです。   全社一丸となって挑んだ超高速の開発制作 編集:お聞きしていると、ECMOについては、あらゆる点でベストなタイミングだったんですね。 細木:はい。ちょうど国のほうでもECMOの教育に関する取り組みが始まっていました。その中でVRを取り入れた教育をやってみましょうとECMOnet様に英断をいただいて、そこから急ピッチでツールを制作していったという感じです。 編集:かなりのスピードですね! 細木:それぐらい急いでいたということです。でも、うちとしてはそこからが大変でした。ジョリーグッドはスピードが命なので、普通の会社だったら考えられないぐらいの速さで開発制作を進められたとは思いますが、それでも紆余曲折はありましたね。本当に医療現場まで撮影に行けるのかとか、スタッフの安全は保証できるのかとか。 編集:普通であれば、かなりの時間をかけないと答えが出ないような状況だと思います。 細木:それを1週間くらいで代表の上路はじめ社内のみんなが「やろう!」と決断してくれたんです。そこから本当に全社一丸となって取り組むことができた。だから開発スピードが速かったんだと思います。制作まで全部含めても1カ月ぐらいじゃないかな。そういう意味では、ジョリーグッドじゃなければこのツールは実現していないと思いますね。 編集:確かにそうですね。とはいっても、映像制作は大変だったんじゃないですか? 細木:苦労はしましたね。通常であれば撮影台本のようなものを用意してから撮影に入るんですが、今回は撮影対象全員が救急救命医なので、まったく現場が読めず、進行予定なんて1行も書けないんですよ。本当に「昨日も夜勤でコロナの患者さんを診ていました」という先生ばかりなので、連絡も朝方とかざらにありましたし、勤務が深夜なのか昼間なのか先方のシフトもよく分からず、話がなかなかできない。とにかくいつでも電話に出られるように24時間待機して連絡をとり、なんとか準備を進めました。 編集:まるで救命の先生並みの生活……。 細木:その2〜3カ月はそうだったかも(笑)。それでなんとかゴールデンウィークに撮影に行けたのですが、移動の新幹線にもほとんど乗客がいなくて、一両に一人ぐらいしか乗っていなかったのを覚えています。 編集:当然現場でもリハーサルなんてできませんよね? 細木:すべてぶっつけ本番です。とにかく現場に行って、先生がホワイトボードで状況を説明してくださって、スタッフがその場で聞いて動きながら撮っていくというめちゃくちゃハードな現場でした。撮影方法としても今まであまりなかった形で撮りましたし、制作スタッフには苦労をかけました。 編集:非常に厳しい撮影状況だったんですね。 細木:ただ、何よりありがたかったのは、ECMOnetの方たちが我々の取り組みをものすごく肯定的に受け止めて、本当に全面的に協力してくださったことですね。我々ももちろん頑張りましたけど、先生方も日々の過酷なお仕事がある中で、丸1日かかったシーンでも粘り強く何度でも対応していただいたり、貴重な時間を割いてくださいました。ECMOの教育ツールをつくることで一刻も早く現場で活躍できる人材を育てたいという、そこの想いが皆さん一致していて、本当に頭が下がる思いでしたね。そのパワーを目の当たりにしたから、これは負けていられない、やらなきゃいけないと我々も強く感じましたね。 編集:そうした先生方の熱意にシンクロできるジョリーグッドの気質というのもあったと思います。 細木:そうですね。付いてきてくれたメンバーには、本当に感謝しています。制作だけではなく、核となるシステムなどを担当している開発チームもすごく頑張ってくれたんですよ。驚くほど高速でバージョンアップを重ねてくれました。実は当初、遠隔機能は搭載していなかったんです。ところが、どうしても遠隔で行いたい講習会があると、ECMOnetからご要望を受けまして。そのため、本来ならば1カ月は先になるところを、2週間は詰めて前倒しでシステムをバージョンアップし、講習会に間に合わせてくれました。同時で40台ほどのゴーグルを用意してもらったのですが、1台もトラブルがなかったんです。 編集:1台もですか!? 細木:もともとジョリーグッドは機械にそれほど詳しくない人でも扱えるようシンプルな仕組みでVRツールを開発しているのですが、そこを変えることなく機能をバージョンアップしてくれたので、めちゃめちゃ難しかったと思うんです。ですから、今では我々が立ち会わなくても先生方だけで活用していただけるようになり、週に1〜2回は各地で講習会を開いてくださっています。この短期間でそこまでできているとは、ECMOnetも本当にすごいなと思います。   VRがwithコロナ時代の医療教育を変える 編集:ECMOトレーニングVRの運用が広がり、細木さんご自身も「あぁ、オレ頑張ったなぁ!」なんて思いませんか? 細木:正直、そんなふうに振り返る時間もありません(笑)。ECMOの案件が形になって一息つくどころか、さらにいろいろなところから広くお声がけをいただくようになって、今も同時進行でまさに走っている最中ですから。コロナに関する検証や総括にはもう少し時間がかかると思いますが、もし日本の救命率が比較的高くて、そこにECMOが重要な役割を果たしたということになれば、僕たちもちょっとでもそこに貢献できたと思えるかもしれませんね。 編集:医療関係ではさらにVRの可能性が広がっていきそうですね。 細木:医療といっても領域は広いので、すべての分野に広く浅く関わるというより、今つながりを持たせていただいている救命救急・集中治療の分野を軸として活用事例が増えているというところですね。救急医療ということでいうと、救急病院の中で先生や看護師さんが対応する治療と、病院の外、つまり現場や救急車の中で救急救命士さんが行う「プレホスピタル」という仕事があるんです。そのための教育ももちろん必要ですので、こちらの方にも分派する形で今VRの活用の取り組みが始まっています。 編集:確かに、現場での治療はなかなか実地研修ができませんね。 細木:さらに救急の延長線上には消防とか防災という分野もある。そういった形で広がっていくことによって、よりVRを学習に使っていただくジャンルが地続きで広がっていくようにしていければと思っています。 日本の医療技術をVRで海外に 編集:VRは海外とのつながり方も変えそうです。 細木:日本の医療技術は非常にレベルが高く、海外にはないノウハウが備わっています。そういうスキルやノウハウをどんどん海外に発信していければよいと思いますし、そのためにVRを役立てていければと考えています。考えてみれば、ほんの少し前までは自分たちからニーズを掘り起こしにあちこち行っている状況だったのが、今では先方からニーズをぶつけてきてくださるようになって、それがめちゃくちゃありがたいんです。 編集:もちろん、ニーズは医療の分野だけにかぎらないと思います。 細木:そうですね。各方面からジョリーグッドが少しずつ頼りにされる、直接求められる存在になりつつあるということが、営業の醍醐味というか本当にうれしいです。やっとお客さまの期待に応えられるようなステージに行けた。僕らはここからだと思います。 編集:これからが正念場だ、と。 細木:もっともっと期待に応えていかなければならない。ただ、今まではVRは点だったのですが、線と面にしていかなければいけないところに来ているので、そこはすごく意識しています。声をいただいたところになんでもかんでも応えるよりも、点を線につなぎ、面にしていかないといけない。一本の枝から枝分かれして新しい枝が伸び、木がしっかり育っていく。その枝の先に大きな花が咲くよう、スピードを持って一つひとつ取り組んでいきます。 Profile 細木 豪 Takeshi Hosoki 早稲田大学商学部卒。ソフト流通会社、ゲームコンテンツメーカーを経て2018年より現職。受託開発事業の営業部門を統括マネジメントする傍ら、「ECMOトレーニングVR」など医療分野を中心とした教育ソリューションのプロデュースを手がける。   Photo/Jiro Fukasawa                                              ]]>

ジョリーグッドは、新型コロナウイルス感染による重症呼吸不全の治療に使用する人工心肺ECMO(Extracorporeal Membranous Oxygenation)※1の教育組織「日本COVID-19対策ECMOnet」(エクモネット)と共同で、ECMOトレーニングVRを開発。現在このツールを使った講習会が全国で開催されています。今回はこの経緯について、営業戦略部の細木豪部長に話を聞きました。 ※1:重症呼吸不全患者または重症心不全患者(時に心肺停止状態の蘇生手段として)に対して行われる生命維持法   大きな可能性を感じた、VRと医療のマッチング JOLiC編集部(以下、編集):ここ数年ジョリーグッドでは、医療領域でのVR活用に力を入れていますね。 細木豪(以下、細木):医療とジョリーグッドの出会いは2年半ほど前になります。それ以前からVRは人材育成の分野で活用が広がり始めており、欧米では各種エビデンスも発表され始めていましたので、ジョリーグッドも採用や研修での活用を意識した開発制作を進めていました。それに着目した医療関係のクライアントから、医療の教育、特に名医の手技を後継者に伝播していく“技能伝承”に活かせないかと、オファーをいただいたのがきっかけです。 編集:手技というと、たとえば実際の治療や手術などで医師がどう手を動かしているかを、後継者となる研修医の方たちがVRで見て学ぶということですか? 細木:そのとおりです。術者当人の目線に立って没入体験ができるという点が、医療研修ツールとして最適なのではないか、と。実際、制作したコンテンツは、クライアントの意図とVRの特性が非常にマッチしたものになりました。そこからジョリーグッドの医療研修用ツールの有用性がだんだんと注目されるようになり、さまざまな病院や医療機器メーカーなどからお声がけいただけるようになりました。 編集:ECMO研修ツールの開発には、そうした背景があったのですね。 細木:はい。私としても、医療領域を本格的に手がけるようになってから、マッチングの高さを実感しました。他の業種と比べてもVRならではの特性を相手にイメージしもらいやすいジャンルだな、と手応えがありました。先方からも、「こういうことに使えるかもしれない」「これもできるかも」とそれまでにない反応が出てきて、これは本腰を入れてやるべきだ、と。そこで、医療関係を重点的に営業活動していくことを会社にも伝え、徹底的にネットワークの構築を進めていきました。また、もっと医療を深く知らなければと思い、自ら志願して担当案件を持ち、直接課題を吸い上げるようにもしていきました。   新型コロナウイルスが高めた医療教育ツールの必要性 細木:もう一つ、タイミング的に、医療の教育という面で現場がさまざまな課題を抱えている時期にあったことも大きかったですね。働き方改革が病院でも進んで、若い研修医の方たちが遅くまで病院に残ることができなくなっているんです。 編集:勤務時間の短縮化ですね。 細木:これまでは病院の仕事の後の時間を研修や教育に当てられていたんですけど、今は若い医師たちが教えを請うたり自分で学習したりする時間が持ちづらくなっていきています。じゃあそういう中でどうやって効率よく教育を行うのか、という課題がバックボーンにあり、そこにVRの可能性がマッチしたわけです。 編集:研修医のための新しい教育ツールという時代のニーズに、タイミングよくVRが刺さったと。細木:今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、その課題をさらに明確にしたと思います。テレワークという新しいワークスタイルが推し進められ、自宅にいながら遠隔リモートで学習しなければいけないという要素がさらに加わって、バーチャル研修の必然性がいやがおうにも高まりました。今までの学習スタイルは、受講者が密接してシミュレーターや模型などを使いながら実際に手を動かして覚えていったり、大勢が集まってセミナーや学会に参加したりすることができなくなったわけですから。 編集:確かにそのスタイルは圧倒的に集合・近接型ですからね。 細木:そうなんです。しかもそれに代わるものがあるかといったら、全くないという状況だった。そこで我々のソリューションがバチっとハマったのかなと。医療の中でも救命救急の分野でいうと、病院間のネットワークがある程度できあがっていて情報交換や症例見学などで地域を超えた行き来があったのですが、そういったことも今はできなくなっています。各病院をつなぐツールという点でも、VRは期待されていんだと思います。   ひっ迫した現場が求めたECMOトレーニングVR 編集:そうした中で、日本COVID-19対策ECMOnet(以下、ECMOnet)とのVR研修ツール開発がスタートしたわけですね。 細木:はい。新型コロナウイルス感染による重症呼吸不全の治療に使用する人工心肺ECMOについては、もう皆さんよくご存知だと思います。ECMOnetは、コロナ禍が厳しくなってきた本年2月、ECMOを使った治療に関わる医療従事者有志が集まって発足させたチームです。その後、感染拡大が最初のピークをむかえると共にECMOが足りなくなり、とにかくできるだけ各施設に供給しようと国が体制を整えて増産に入りました。 編集:ニュースなどでもECMOに関する報道が続き、一般の人たちも不安になりました。 細木:ところが、ECMO自体は病院に入る体制ができたものの、フタを開けてみたら、それを使えるスタッフが足りていないということになったんですね。研修を受けていないと扱うのがとても難しい装置だということがそこで露見され、じゃあ教育や研修をどうしていくのか、という話になったわけです。 編集:なるほど……。 細木:その時点で、今までいろいろと意見交換させていただいていた何人もの先生方から連絡をいただくようになっていたんです。「ECMOって実はものすごく扱うのが大変で、いろんな人が操作に携わるものなんだけど、前に聞いていたVRを研修に使うことはできないかな?」とか「スタッフそれぞれの視点で状況を見ることができるVRだったらECMOの研修にぴったりだと思うから、ジョリーグッドさんでトレーニングツールを作れないかな」と、同時多発的に。 編集:それだけ切実な課題だったんですね。 細木:そこで調べてみたところ、「ECMOnet」という、日本におけるECMOの情報を集約し、教育を一手に担っている組織があることがわかりました。すぐに連絡し、VR教育の可能性についてお伝えしたところ、ちょうど新しい学習ツール導入の必要性を感じられていたと。そこでバチッと話が合って、やってみようという流れになったわけです。   全社一丸となって挑んだ超高速の開発制作 編集:お聞きしていると、ECMOについては、あらゆる点でベストなタイミングだったんですね。 細木:はい。ちょうど国のほうでもECMOの教育に関する取り組みが始まっていました。その中でVRを取り入れた教育をやってみましょうとECMOnet様に英断をいただいて、そこから急ピッチでツールを制作していったという感じです。 編集:かなりのスピードですね! 細木:それぐらい急いでいたということです。でも、うちとしてはそこからが大変でした。ジョリーグッドはスピードが命なので、普通の会社だったら考えられないぐらいの速さで開発制作を進められたとは思いますが、それでも紆余曲折はありましたね。本当に医療現場まで撮影に行けるのかとか、スタッフの安全は保証できるのかとか。 編集:普通であれば、かなりの時間をかけないと答えが出ないような状況だと思います。 細木:それを1週間くらいで代表の上路はじめ社内のみんなが「やろう!」と決断してくれたんです。そこから本当に全社一丸となって取り組むことができた。だから開発スピードが速かったんだと思います。制作まで全部含めても1カ月ぐらいじゃないかな。そういう意味では、ジョリーグッドじゃなければこのツールは実現していないと思いますね。 編集:確かにそうですね。とはいっても、映像制作は大変だったんじゃないですか? 細木:苦労はしましたね。通常であれば撮影台本のようなものを用意してから撮影に入るんですが、今回は撮影対象全員が救急救命医なので、まったく現場が読めず、進行予定なんて1行も書けないんですよ。本当に「昨日も夜勤でコロナの患者さんを診ていました」という先生ばかりなので、連絡も朝方とかざらにありましたし、勤務が深夜なのか昼間なのか先方のシフトもよく分からず、話がなかなかできない。とにかくいつでも電話に出られるように24時間待機して連絡をとり、なんとか準備を進めました。 編集:まるで救命の先生並みの生活……。 細木:その2〜3カ月はそうだったかも(笑)。それでなんとかゴールデンウィークに撮影に行けたのですが、移動の新幹線にもほとんど乗客がいなくて、一両に一人ぐらいしか乗っていなかったのを覚えています。 編集:当然現場でもリハーサルなんてできませんよね? 細木:すべてぶっつけ本番です。とにかく現場に行って、先生がホワイトボードで状況を説明してくださって、スタッフがその場で聞いて動きながら撮っていくというめちゃくちゃハードな現場でした。撮影方法としても今まであまりなかった形で撮りましたし、制作スタッフには苦労をかけました。 編集:非常に厳しい撮影状況だったんですね。 細木:ただ、何よりありがたかったのは、ECMOnetの方たちが我々の取り組みをものすごく肯定的に受け止めて、本当に全面的に協力してくださったことですね。我々ももちろん頑張りましたけど、先生方も日々の過酷なお仕事がある中で、丸1日かかったシーンでも粘り強く何度でも対応していただいたり、貴重な時間を割いてくださいました。ECMOの教育ツールをつくることで一刻も早く現場で活躍できる人材を育てたいという、そこの想いが皆さん一致していて、本当に頭が下がる思いでしたね。そのパワーを目の当たりにしたから、これは負けていられない、やらなきゃいけないと我々も強く感じましたね。 編集:そうした先生方の熱意にシンクロできるジョリーグッドの気質というのもあったと思います。 細木:そうですね。付いてきてくれたメンバーには、本当に感謝しています。制作だけではなく、核となるシステムなどを担当している開発チームもすごく頑張ってくれたんですよ。驚くほど高速でバージョンアップを重ねてくれました。実は当初、遠隔機能は搭載していなかったんです。ところが、どうしても遠隔で行いたい講習会があると、ECMOnetからご要望を受けまして。そのため、本来ならば1カ月は先になるところを、2週間は詰めて前倒しでシステムをバージョンアップし、講習会に間に合わせてくれました。同時で40台ほどのゴーグルを用意してもらったのですが、1台もトラブルがなかったんです。 編集:1台もですか!? 細木:もともとジョリーグッドは機械にそれほど詳しくない人でも扱えるようシンプルな仕組みでVRツールを開発しているのですが、そこを変えることなく機能をバージョンアップしてくれたので、めちゃめちゃ難しかったと思うんです。ですから、今では我々が立ち会わなくても先生方だけで活用していただけるようになり、週に1〜2回は各地で講習会を開いてくださっています。この短期間でそこまでできているとは、ECMOnetも本当にすごいなと思います。   VRがwithコロナ時代の医療教育を変える 編集:ECMOトレーニングVRの運用が広がり、細木さんご自身も「あぁ、オレ頑張ったなぁ!」なんて思いませんか? 細木:正直、そんなふうに振り返る時間もありません(笑)。ECMOの案件が形になって一息つくどころか、さらにいろいろなところから広くお声がけをいただくようになって、今も同時進行でまさに走っている最中ですから。コロナに関する検証や総括にはもう少し時間がかかると思いますが、もし日本の救命率が比較的高くて、そこにECMOが重要な役割を果たしたということになれば、僕たちもちょっとでもそこに貢献できたと思えるかもしれませんね。 編集:医療関係ではさらにVRの可能性が広がっていきそうですね。 細木:医療といっても領域は広いので、すべての分野に広く浅く関わるというより、今つながりを持たせていただいている救命救急・集中治療の分野を軸として活用事例が増えているというところですね。救急医療ということでいうと、救急病院の中で先生や看護師さんが対応する治療と、病院の外、つまり現場や救急車の中で救急救命士さんが行う「プレホスピタル」という仕事があるんです。そのための教育ももちろん必要ですので、こちらの方にも分派する形で今VRの活用の取り組みが始まっています。 編集:確かに、現場での治療はなかなか実地研修ができませんね。 細木:さらに救急の延長線上には消防とか防災という分野もある。そういった形で広がっていくことによって、よりVRを学習に使っていただくジャンルが地続きで広がっていくようにしていければと思っています。 日本の医療技術をVRで海外に 編集:VRは海外とのつながり方も変えそうです。 細木:日本の医療技術は非常にレベルが高く、海外にはないノウハウが備わっています。そういうスキルやノウハウをどんどん海外に発信していければよいと思いますし、そのためにVRを役立てていければと考えています。考えてみれば、ほんの少し前までは自分たちからニーズを掘り起こしにあちこち行っている状況だったのが、今では先方からニーズをぶつけてきてくださるようになって、それがめちゃくちゃありがたいんです。 編集:もちろん、ニーズは医療の分野だけにかぎらないと思います。 細木:そうですね。各方面からジョリーグッドが少しずつ頼りにされる、直接求められる存在になりつつあるということが、営業の醍醐味というか本当にうれしいです。やっとお客さまの期待に応えられるようなステージに行けた。僕らはここからだと思います。 編集:これからが正念場だ、と。 細木:もっともっと期待に応えていかなければならない。ただ、今まではVRは点だったのですが、線と面にしていかなければいけないところに来ているので、そこはすごく意識しています。声をいただいたところになんでもかんでも応えるよりも、点を線につなぎ、面にしていかないといけない。一本の枝から枝分かれして新しい枝が伸び、木がしっかり育っていく。その枝の先に大きな花が咲くよう、スピードを持って一つひとつ取り組んでいきます。 Profile 細木 豪 Takeshi Hosoki 早稲田大学商学部卒。ソフト流通会社、ゲームコンテンツメーカーを経て2018年より現職。受託開発事業の営業部門を統括マネジメントする傍ら、「ECMOトレーニングVR」など医療分野を中心とした教育ソリューションのプロデュースを手がける。   Photo/Jiro Fukasawa                                              ]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/company/2105/feed/ 0
発達障害支援VRプログラム「emou」が経産省「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト」で優秀賞を受賞! https://jolic.jollygood.co.jp/blog/2055/ https://jolic.jollygood.co.jp/blog/2055/#respond Thu, 13 Feb 2020 05:28:13 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=2055 [...] ]]>

先日1月23日に開催された、経済産業省主催「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト 2020」にて、弊社ジョリーグッドの発達障害支援VRプログラム「emou」(エモウ)が、優秀賞を受賞しました。

 

この優秀賞を受賞するまでには、書類審査、昨年10月には予選が開催されました。

こちらは予選の様子です。

予選での講演は、審査員全員から質問、絶賛をいただくという大変有り難い反応をいただきました。

ビジネスモデルやコンテンツについてなど、大変興味深くご質問をいただいていました。

万全の準備をして挑んだ予選は、審査員の皆さんからの高評価もあり、ファイナリストに進出することができました🙌

昨年の10月の予選時点でも、emouを導入いただいている施設は多数ありましたが、それも日に日に増え、現在の導入数は30施設を超えています。

そして各施設の皆さんからいただいたフィードバックやコンテンツの追加などを経て、予選時点から更にemouは進化しました。

 

そのパワーアップしたemouをもって、いざ決勝プレゼンです!

こんなに大勢の前で、堂々とプレゼンをする、emouサービス開発責任者の青木。

私の方が緊張していたんじゃないか?というくらい堂々としていました。

それほどにemouは、青木が自信をもって創り上げたサービスだから、ということですね💪

 

展示エリアでもemouを多くの方にご紹介させていただきました。

中にはとても共感してくださり、一緒にイベントをやりましょう!というお誘いもいただきましたよ☺

 

現在のemouは、小学生向け、中高生の思春期向け、就労移行期向けと3ジャンルのコンテンツが約80以上揃っており、VRで様々なシチュエーションの社会体験を予習・練習することができます。

体験者の目線を解析して、見るべき所をちゃんと見ることが出来ているかをスコア化する機能や、シナリオの途中で登場する選択肢によってストーリーの展開が変化する機能は、利用者さまからとても喜ばれている機能です。

またemouは、専門医が監修したセッションシートをコンテンツごとにセット提供しています。

そのため、指導経験の浅いスタッフでも質の高い良質な指導を行うことができます。

 

emouは現在30施設以上に導入をいただいていますが、その半数がご紹介したその場で即決導入をいただけています。

その理由は、やはり利用者さんたちの“喜び”が大きいそうです💡

実際に施設の利用者さんにemouをご体験いただくと、笑顔で楽しみながらトレーニングに取り組んでくださっていて、その様子を見て、施設の担当者の方は導入を即決してくださることが多いそうです。

また「利用者さんとしても、様々な社会体験の予習や復習ができるemouのような最新の教育は、早い段階から取り入れた方がいい。」と利用者さんファーストな導入も多いとのこと。

 

VRを使ったソーシャルスキルトレーニングは、従来のトレーニングを嫌がっていた利用者さんも「VRならやりたい!」「次はいつやるの?」と、人気も高いそうです☺うれしい

指導を行うスタッフの方々からも、「授業の準備にかかる時間が大幅に削減でき、指導に注力できた」「従来の言葉やイラストなどで伝えていた時は認知のズレがあったが、VRだとズレがなく、お互いをより理解することができた」と喜ばれています。

導入施設さまインタビューはこちら

 

楽しみながら、何度でも練習したくなるemouは、VRで社会を“予習”できる世の中を実現し、誰一人として取り残さない世界を目指します💪

 

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
emouウェブサイト

 

ご利用の施設でemouを体験されたい方は、是非施設をご紹介ください。ジョリーグッドが施設でのデモ体験会開催を打診いたします。
VRデモ体験会ご紹介フォームはこちら

]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/blog/2055/feed/ 0
発達障害支援VRプログラムemouで社会を予習!三重県鈴木知事と記者発表会。 https://jolic.jollygood.co.jp/blog/1805/ https://jolic.jollygood.co.jp/blog/1805/#respond Thu, 26 Dec 2019 03:08:56 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=1805 [...] ]]>

先日、三重県の鈴木英敬知事と記者発表を行いました!

今回、全国の自治体で初めて、三重県立かがやき特別支援学校あすなろ分校にて、弊社の発達障害支援VRプログラム「emou」(エモウ)によるVRを活用した授業を実施、発達障害者へのVRトレーニングの効果検証を開始します。

発達障害のある方は、はじめてのことが苦手な場合が多く、失敗を繰り返すことで自己肯定感が低くなり、社会への参加が限定的でした。

VRで当事者や他者目線の社会生活を疑似体験し、事実を適切に捉える力や、他者の表情や言動から心情を推察する力、自身の考えを共有する力などの変化を評価。増え続ける発達障害の方の新たなトレーニングとしてVRの有効性を検証します。

 

三重県でVRを使ったトレーニング効果の検証が開始

emouは現在、約20以上の発達障害支援機関に導入されています。

その中でも三重県立かがやき特別支援学校あすなろ分校は、自治体では初めての取り組みとなりました。

記者発表は、弊社のemou事業開発責任者の青木から、emouの概要を記者の方々へ説明するブリーフィングからスタートしました。

ブリーフィング後に、三重県鈴木英敬知事と弊社代表の上路が入場したのですが、上路と知事は楽しそうに笑いながらの登場となり、会場はとても和やかな雰囲気でした😄

知事に並び、三重県廣田教育長、かがやき特別支援学校森井校長、医療保健部三木次長も入場され、記者発表会が始まりました!

 

笑顔であふれた記者発表会

まずは上路から、この素晴らしい機会をいただけた事や、文科省が教育における先端技術活用の方針を公表しVRについても言及された事などについて触れ、次に青木より鈴木知事へ今回の取り組みについて説明をしました。

鈴木知事にemouを体験してもらうと、ゴーグルを装着された瞬間に驚かれて「これはリアルだね!」とすぐにゴーグルを外してしまうほど。

コンテンツを体験してもらうと、コンテンツ内に登場するクラスメイトに「あー!こういう子いるね!(笑)」ととても共感してくださりながら、「リアルすぎて学生の頃に戻ったような気になる!」と、とても楽しんでくださっていました。

ジョリーグッドのVRクオリティに「これは本当に入り込むね!凄いな!!」と大絶賛。

映像だけではなく、リアルすぎる内容に「この子たちは俳優なの?」「本当に学校でありそうなシチュエーション」と役者やシナリオにも大絶賛をいただきました!

ジョリーグッドはプロの役者を使い、厳選なるオーディションをして決めているので、映像だけではなく演出についても絶対の自信をもっています💪

そのジョリーグッドクオリティが、違和感のないリアルさを生み出しています。

鈴木知事の熱い想い

体験していただいた後は、熱い意見交換が行われました。

emouは学校生活をVRで予習、練習し、社会生活を不安なく送れるように手助けをするプログラムです。

鈴木知事は「確かにこのような体験をいきなり対人でトレーニングするハードルは高い。あらかじめ予習して“こういう事があるかも”と気持ちの準備ができるだけでもいいかもしれない。」とした上で、emouでの体験を「めっちゃ楽しいね!」と、とても楽しんでくださいました。

 

emouが従来のトレーニングと異なるポイントの1つに“楽しみながらトレーニングができる”というところがあります!

そしてVRに興味津々な子どもたちは、今まであまり積極的に取り組めずにいたトレーニングにも、「やってみたい!」と自ら進んでトレーニングに取り組み、親御さんから驚きの声をいただけるということもありました。

またトレーニングか…と嫌々取り組むのではなく、emouは全国の子どもたちに楽しみながら活用していただいています。

また、emouは専門医監修のもと開発されたプログラムです。 支援者のスキルに依存しない良質な支援を提供することが可能なのも特徴の1つ。

支援施設が増えていく中で、指導するスタッフの人材不足や育成も大きな課題です。

鈴木知事は「教員のスキルや経験に左右されず、子どもたちがちゃんとトレーニングできるのは教員にとっても安心。非常に良いツールを得たと思う。」とコメント。

また、コンテンツには体験後に得点が表示されるものがあり、予め設定されたエリア(話している人の顔など)を見ることができているかを自動的に計測し得点を表示することで効果の可視化が可能。

鈴木知事は自動計測機能について、「自分の成長を実感してもらったり、対人関係に不安を持ってる子たちが「自分は大丈夫」と自信を持てるようになるといい。」と評価してくださっていました。

 

その他にも「特別支援教育を始め、教育はとにもかくにも“子ども達のため”なので、間違いなく「何度も楽しんで」という点においては子どもたちにとって良いツールになると思う。そういう意味での子どもたちのためのモデルができるといい。」とコメント。

emouは三重県立かがやき特別支援学校あすなろ分校での検証や、全国の支援機関の協力でどんどん進化していきます。

これからのemouにご期待ください!

]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/blog/1805/feed/ 0
長期間病院で過ごす子供たちがVRで外の世界へ旅に!笑顔をうむCSR「ボーンスマイル・プロジェクト」 https://jolic.jollygood.co.jp/company/1856/ https://jolic.jollygood.co.jp/company/1856/#respond Thu, 19 Dec 2019 10:40:39 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=1856 [...] ]]>

ジョリーグッドでは企業理念具現化するCSRプロジェクトとして、ジョリーグッドのテクノロジーを活用して、“笑顔を生む”ためのプロジェクト「ボーンスマイル・プロジェクト」を実施。その第1弾として、昨年の今頃、子供たちへのクリスマスプレゼントとして行われたのが、「フライングアウト・プロジェクト」です。この企画の立案・実行人の竹内恭平さんが、希望と笑顔にあふれたプロジェクトについて語ってくれました。

子供たちに“どこでもドア”を。その熱意で実現へ。

JOLiC編集部(以下、編集):今日はジョリーグッドのロゴ入りポロシャツなんですね!それはいつも着ているんですか?

竹内恭平(以下、竹内):事業開発担当なので、お客さんとお会いする際の分かりやすさもあり、ちょくちょく愛用しています(笑)。

編集:なるほど(笑)。今回竹内さんには、「ボーンスマイル・プロジェクト」についてお伺いします。よろしくお願いします。

竹内:「ボーンスマイル・プロジェクト」は「テクノロジーはそれを必要とする人に使われて初めて価値がある」というジョリーグッドの企業理念を具現化するためのCSRプロジェクトで、テクノロジーを活用して、人々の“笑顔を生む”ことが目的です。「ボーンスマイル・プロジェクト」の発起人は弊社の代表の上路です。僕たち社員は、実施する企画をそれぞれ考えて提案した結果、初回は僕が提案した「フライングアウト・プロジェクト」が採用されました。

編集:どのように選ばれたんですか?

竹内:社員全員の前で、10名以上の社員が自分の考えた「ボーンスマイル・プロジェクト」企画をプレゼンしました。そして社員の中で投票を行い、僕の企画が1番票を集め採用されました。

編集:「フライングアウト・プロジェクト」とは?

竹内:長期間病院で過ごす子供たちにVRで病院の外の世界を体験してもらおうと思って、企画しました。

編集:その企画には、竹内さんのどんな想いが込められているんですか?

竹内:難病を抱え長期間病院での治療が必要だったり、色々な事情で病院で生活をしている子供たちは、実は14万人以上も居るんですよ。遊びたい盛りに外出することもできず、彼らは病気と闘っています。そんな子供たちが、今まで以上に「治療に前向きなエネルギー」を感じられるような取り組みがしたい!、という想いがありました。

編集:なるほど。VRならその場で色々な場所や物事が体験できますね!

竹内:はい。まずジョリーグッドの技術やコンテンツで実現できることってなんだろう?と考え、自分なりに出した答えが、VR=“どこでもドア”でした。

編集:エンジニアの土門さんも同じことを言ってました!

竹内:それから“どこでもドア”を今一番必要としている人は誰だ?と。そう考えた時に、病院で過ごしている子供たちじゃないかと思いつきました。実は弟が難病で入院していたことがあって、この経験が発想のタネになりました。

編集:実体験からの発想なんですね。

竹内:はい。そこから色々膨らんでいって。そこから具体的な実施内容を考えた時に、弊社の様々なパートナー企業さまが頭の中に浮かびました。全国各地のテレビ局やテーマパークなどみなさまの協力を得ることができたら子供たちに観光旅行をしているような経験をしてもらえるんじゃないか?と思い、このプロジェクトの原案にたどりつきました。

編集:プロジェクトを実現するにあたっての苦労は?

竹内:まずは実施させてもらえる病院探しでした。病院内に学校があることは知っていたので、そういう教育施設がいいんじゃないかと思い、10校程度ピックアップして、アポイントメントを取り、地道に説明に行きました。

編集:お一人で?

竹内:もう一人インターンの子がサポートに入ってくれたんですが、彼女が現役の東大医学部生で、医療の知識や現場の内情も理解していたので、心強かったですね。

編集:先生への説明の際は、先生方にもVR体験していただいたんですか?

竹内:もちろん。先生方も結構はしゃいでいました(笑)。でも前例がないので、そう簡単にいきませんでしたが。最終的にはご縁あって国立成育医療研究センター内にある東京都立光明学園「そよ風分教室」(※1)で、やってみましょうと言っていただけました。

編集:VRの感動体験が先生を動かしたんですね。

竹内:そうですね!
実施にあたって親御さんへの確認や当日のオペレーションまで本当に尽力していただき、プロジェクトの成功にいたりました。

編集:「フライングアウト・プロジェクト」のお写真を見ると、クリスマス時期のようですが?

竹内:はい。プロジェクトのスケジュールを組んだところ、実現できる時期が丁度クリスマス時期だったんです。それならクリスマスプレゼントにした方が子供たちにきっと喜んでもらえるね!と、プロジェクトメンバー全員で仮装をし、教室にもクリスマスの装飾をさせてもらいました。

子供も大人も笑顔になった「ボーンスマイル・プロジェクト」

編集:プロジェクトメンバーは?

竹内:6人です。そのうち4人が女性。このプロジェクトはご家族への配慮など、注意すべきポイントがたくさんあったので、女性社員が多く参加してくれたおかげで、スムーズにできました。

編集:女性ならではの気遣いが必要だったんですね。

竹内:そうですね。細やかな気遣いに助けられました。僕だけだったら、まっすぐ突っ走るだけになり、うまくいかなかったかもしれません。

編集:子供たちにはどんなVRをプレゼントしたんですか?

竹内:北海道のバルーンフェスティバルや鹿児島のブリの養殖場、ハワイのハンググライディングとか。動物園のVRは、特別な許可がないと入れないところまで映像に収まっていたので、実際に見に行く以上の体験がしてもらえたと思います。観光体験だけでなく、ラジオや舞台を体験できるコンテンツでは職業体験もしてもらいました。

編集:実際にVRを見た、子供たちの反応はいかがでしたか?

竹内:みんなめちゃくちゃ喜んでくれて、足をじたばたさせ興奮しながら見ている子もいました。その子は治療の関係で情緒が不安定になりがちだったそうなんですが、別れ際に「また来てねー!」と元気に言ってくれた時は、本当に喜んでもらえたんだな!と、胸キュンしました(笑)

編集:それは胸キュンですね!心から楽しかったんでしょうね。

竹内:めちゃくちゃ嬉しいですよね。中には体調が優れず、参加できなかった子も居たそうなんですが、お医者さんに「参加したい!」と直談判してくれたとか。先生方からもみんなとても楽しみにしてくれていて、普段病室からあまり出れない子も参加してくれていたと聞きました。

編集:実現までの苦労が、吹き飛びますね。

竹内:はい!子供たちを元気にしたいというのが目的でしたが、プレゼントに行った僕たちも笑顔と元気のおすそわけをもらいました!VRを体験した子供たちが病院から出たら、実際に「こんな事をやってみたい」「こんな所に行ってみたい」という前向きな気持ちになってくれていて、先生方にも喜んでいただけていました。

編集:前向きな気持ちは治療にも良さそうですね。

竹内:そうですね。「次は水族館に行きたい!」と言う子もいて、上路さんが「撮影してくるよ!」と約束していたので、次回の実施が楽しみです。

編集:本当にみんなが笑顔になるCSRプロジェクトだったんですね。

竹内:子供の頃って、テレビを見て制服がカッコいいから警察官になりたいとか思うじゃないですか。そんな無邪気な夢が10年後、実現する可能性もある。子供の時に体験した純粋な感動って重要で、将来のビジョンにつながるものだと思います。今回のVR体験も、そういう経験になったらいいですね。

編集:「ボーンスマイル・プロジェクト」の次回の予定は決まっていますか?

竹内:今回は病院にいる子供たちに向けて行いましたが、次回は別のターゲットで笑顔を生む企画を練っています。楽しみにしていてください。

編集:竹内さんが「ボーンスマイル・プロジェクト」に期待することは?

竹内:VRでもっと“笑顔”を増やしていきたい。会社の成長と並走して海外まで広げることができるでしょうし、さらに社会に対してインパクトのある取り組みに成長させたいです。

編集:ステキなプロジェクトですね。

竹内:このプロジェクトはお金を生み出しませんが、会社の目指す指針や方向性が示せる重要なもの。そこに価値を見出してくれて、全社で取り組むことができるのもジョリーグッドだからこそだと思います。

VRは社会に浸透し、人を助けるためにもっと進化する。

編集:ちなみに竹内さんの子供の頃の夢は?

竹内:レーシングドライバーですね。

編集:ビックリです!

竹内:ライセンスを取得し、海外でも働けるよう英語も勉強したんですが、レースはお金がかかりすぎてしばらく腐った時期に突入しました(笑)。挫折はしましたが、子供の頃TVでF1を見て抱いた純粋な感動や夢がきっかけで海外に興味が湧き英語を学ぶきっかけになったり、学校や仕事選びの軸の一つになったりと、様々な自分のターニングポイントにつながっていったので、バカにならない経験だったと思っています。

編集:ジョリーグッドに入った経緯は?

竹内:以前もスタートアップ企業で働いており、資金調達のタイミングは会社に大きな変化があるということを学びました。そんな時、ジョリーグッドの資金調達のニュースを見て気になり、上路さんの経歴や会社の仕事内容をできるかぎり調査。VRという新技術を使ったサービスの開発に興味が沸き、応募しました。

編集:面白いきっかけですね!いろんな経験をお持ちの竹内さんですが、仕事において大事にしていることとは?

竹内:自分が楽しくて幸せで、人も幸せにできることを探すことです。昔憧れていたレーシングドライバーは募金活動を積極的に行っていて、かっこいいな、と!スケールはともかく、自分もそんな仕事ができるように常に意識するようにしています。

編集:しっかりしたポリシーですね。

竹内:実はジョリーグッドの人事制度で「副業認定制度」というものがあるんですが、それもがっつり活用して楽しく働いてます。

編集:そうなんですか!?

竹内:様々な価値観に触れるのが目的で、新宿のとあるバーで働いています。もちろん、仕事に差し障りがない程度の出勤ですが。外国人観光客の方々がたくさん来るお店なので、いろんな人に出会えて楽しいですよ。

編集:本当にバラエティーに富んだ経歴ですね!最後になりますが、竹内さんが考える、VRの今後の可能性を教えてください。

竹内:VRのデバイスが進化して、持ち運びもできるようになり、もっと高解像度の映像が見られるようになれば、スマートフォンのように自然に社会に浸透していくと思います。それと同時に、より多くの人の助ける技術に成長していくと信じています。

 

※東京都立光明学園そよ風分教室
国立成育医療研究センターの中にある東京都立光明学園の分教室です。
ここでは、同病院に2週間以上の入院中の児童・生徒が治療を受けながら学習をしています。分教室に転入することで、児童・生徒は長期欠席の心配がなく、学習を続けることができます。

Profile
竹内恭平 Kyohei Takeuchi
通信商社でのマネージャー経験を経て、新卒で楽天に入社。ビッグデータを活用した広告事業を行う部署にて、主に官公庁、自動車、不動産領域の営業業務を担当。その後シリーズA期のスタートアップに参画し、CtoCサービスやオウンドメディアの事業開発に従事。
2018年にジョリーグッドに入社。
現在は事業開発部のビジネスプロデューサーとして活躍。

 

Photo/Jiro Fukasawa

 

 

]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/company/1856/feed/ 0
介護の業界を変える介護VR。人材不足解決や認知症対応にも効果的 https://jolic.jollygood.co.jp/column/1802/ https://jolic.jollygood.co.jp/column/1802/#respond Mon, 09 Dec 2019 10:07:01 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=1802 [...] ]]>

現在様々な分野で注目を浴びているVR。どのような活用、事例、どのような企業が関わっているのかという視点で介護VR研修サービスを開発しているジョリーグッドがお伝えします。

 

◾VRの現在・普及・期待値

VRというとゲームというイメージですが、最近はVRを使った人材育成などが話題になってきました。VR/AIの市場は2030年までの経済効果は約196兆円にまで及ぶと言われています。

 

◯2030年までにVR/ARの経済効果がGDPを押し上げる PwCが試算

https://www.moguravr.com/pwc-seeing-is-believing/

 

海外では、大手企業での研修をVRで行うことも珍しくありません。

 

◯世界最大の輸送会社FedEx、研修にVRを活用 学習効率や離職率改善に効果

https://www.moguravr.com/fedex-vr-training/

 

火事に悩まされるカリフォルニア、消防士にVRトレーニング導入

https://www.moguravr.com/california-firefighter-vr-training/

 

◾そもそもVRとは

VRっは「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」と訳されており、「あたかもその現場にいるような仮想体験」ができます。360度見回せる空間が視覚や脳に錯覚を与え、限りなく現実に近い世界に没入する感覚が得られます。

 

◾介護VRの種類 

現在介護業界で活用が期待されているVRは大きく分けて3種類あります。

  1. 認知症患者など当事者の視線の体験を行うことができるVR

  2. 教育ツールとして使用される介護VRトレーニング

  3. 過去の記憶を喚起する回想法VR

それぞれ詳しくみてみましょう。

 

1.   認知症患者など当事者の視線の体験を行うことができる介護VR

 

認知症の方はどのように世界を見ているのか。なぜ、車からの一歩が踏み出せないのか。どうして介護職員に対して暴言を吐くのか。

認知症の方が身の回りにいる時、このような疑問を感じたことはありませんか。

 

認知症の中核症状を本人目線で体験することで、認知症に対しての理解を深めることができます。

認知症の方の行動による問題は、周りの人の理解や環境が大きく影響していることが多く、ご本人の体験を通して、どのように声をかけたらいいのか、コミュニケーションを行えばいいのかのヒントを得られると思います。

 

<認知症体験VRに関連する企業>

 ◯株式会社シルバーウッド(日本)

https://peraichi.com/landing_pages/view/vrninchisho

 

2.   教育ツールとして使用される介護VRトレーニング

 

現在色々な分野でも活用されるようになってきた教育VR。もちろん介護でも普及し始めてきてます。

 

介護経験がない育成対象者に、介護ノウハウをテキストや口頭の説明だけで、理解させるのは難しいのが現状です。

VRでは現場に入る前に、現場にいるような環境の中で一連の流れや動作の確認ができます。VR内でベテラン介護士の介護技術を介助技術をVRでトレーニングするのはもちろん、

緊急時の対応などなかなか体験できない研修も行うことが可能です。

また、実際に介護される側の体験をVRで行うことで、どのような点に気をつければいいのか気づくきっかけにもなります。

不安払拭や、より良いサービスの提供が短期間で可能となるので、利用者の満足度にも影響するでしょう。

 

 <介護研修VRに関連する企業>

◯株式会社ジョリーグッド(日本)

【介護研修VRサービス ケアブル】
https://carevr.jp/

【受講者の8割以上が効果を実感、VR介護研修サービスが提供開始】
https://www.moguravr.com/carevr-start-service/

 

ジョリーグッドのケアブルは最高峰の2019年度e-Learning大賞を受賞しています。

【介護研修VR「ケアブル」が日本eラーニング大賞の最高位「大賞」を受賞! 介護、VRトレーニングでの大賞は初!】
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000068.000020924&g=prt

 

3.   過去の記憶を喚起する回想法VR

 

こちらは介護施設の利用者の方が使うVRであり、レクリエーションの一つとしても使われてきています。

昔行ったことのある場所や、思い出のある場所をVRで再生することで、回想法の役割を果たし、脳に良い刺激を与えます。

回想法とは昔の懐かしい写真や音楽、昔使っていた馴染み深い家庭用品などを見たり、触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う一種の心理療法です。

実際に介護施設で体験会を行ったところ、出身地の景色が写っているVRを見たことで、今までにないほどお話するようになった認知症の方もいます。

 

今後回想法の目的だけでなく、認知症の方へのセラピーやQOLを高めるツールとしてなど様々な分野で活躍されることが期待されます。

 

<回想法VRに関する企業>

Virtue(イギリス)

【LookBack: Virtual Therapy for Dementia】
https://www.virtue.io/lookback/ (英語)

【認知症高齢者のQOLを高めるVRセラピー、心疾患を“見て・触れて”理解するVR – 起業家医師から見た医療×VRのいま】
https://www.moguravr.com/vr-therapy/ 

 

◾注目を浴びてる介護従事者研修でのVRのメリット

介護の中でも各分野でVRは普及してきていますが、今回は特に注目されている介護研修VRのメリットをご紹介します。

・没入感がある

  目を覆ったゴーグルを使用するので、360度どこを見ても仮想現実の世界の中にいる体験ができます。あたかも現場にいるような感覚になるため、2Dの動画やテキストよりも集中して学習でき、緊急時や災害対応での対応もスムーズに行うようトレーニングが可能です。実際の想像と現実のギャップを埋めるのに最適です。

 

・記憶力、理解力を向上

VR空間内で能動的に行動するため、より記憶に残るという研究結果がでています。2Dのビデオでは映された内容を受動的に見るだけですが、360度ある空間では自ら見る場所を選び行動するので、能動的に学習を行うことができます。またテキストや口頭で説明されるよりも、実際にVR空間内で見学し、行動する方がイメージもつきやすく理解度も高まります。

VRは人間の記憶力を向上させるー米国の大学による調査によって明らかに

https://vrinside.jp/news/post-137977/

 

・どこでも何度でも体験可能

VRゴーグルがあればどこでも体験が可能です。実際に介護現場に行かなくても、同じような体験が場所にとらわれず、いつでも何度でも体験ができます。またVR空間内でしたら何度でも失敗が許されるので、不安が残る介護技術があれば何回もVRでトレーニングできます。実際の現場に入る前にVRで何度も練習しておくことで、安心して現場で介護やコミュニケーションが行えます。

 

・トレーナーの負担軽減

今まで人対人で教えていたものや、伝えていたものが、VRで置き換えることが可能になりました。介護指導員の指導能力に寄らず、どこでも同じ教育を受けることができ、指導員の負担も軽減されます。限られた人材と時間のなかでより良いサービスの提供が求められている今、VRが有効となるでしょう。

 

・不測事態の対応も訓練可能

なかなか普段体験できない緊急事態の対応もVR内で訓練しておけば、実際のケースにスムーズに対応できる心構えと手順が鍛えられます。介護施設での怪我、心肺停止、ノロウィルス感染での嘔吐など、普段出会うことの少ない不測事態が何度も体験可能となります。

◾介護VRの今後

 

・介護技能実習生の教育にVRを

今後は日本国内だけではなく、海外の外国人技能実習生の教育にもVRは使われるようになります。日本に来る前に、現地の日本語学校や送り出し機関にて、日本をVRで体験。高齢化が進んでいなく、介護という概念を知らない方でも、VRによって、日本式介護を学び、技能実習生として日本の介護施設で働くことができます。

効果的に学習ができるだけでなく、教える側の負担も軽減され、短期間でより良質な人材を送り出すことが可能となります。

日本国内だけではなく、様々な地域・分野で活用されるようになる介護VRが活躍してきています。VRの研究・開発は進んでおり、今後ますます多くの分野でVRが役立つようになるでしょう。

]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/column/1802/feed/ 0
ラグビー大野均選手のVRタックルコンテンツができるまで https://jolic.jollygood.co.jp/blog/1735/ https://jolic.jollygood.co.jp/blog/1735/#respond Fri, 18 Oct 2019 10:09:41 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=1735 [...] ]]> ラグビー選手の強烈タックルを受けてみたい!でも素人には絶対無理…ならばVRで実現!

ラグビーが好きな人なら、そしてラグビーの試合を目の当たりにした人なら、一度は思ったことがあるかもしれません。

「あの選手のタックルを受けてみたい!(…いや、でも絶対無理。物理的に!)」と。

 

そんな思いを今回、「VR」で実現するこの企画が走り出したのは、今年の夏のはじめ。

完成発表が9月でしたので、3ヶ月弱のスピード進行。

どの選手のタックルをVR化するか…。

 

そこで白羽の矢が立ったのが、ラグビー界の「鉄人」東芝ブレイブルーパスの大野均選手。

誰もが認めるラグビー界の「鉄人」です。

 

実は、ジョリーグッドCCOの丸山はラグビー経験者。

大野選手のタックルをVR化できるなんて!と制作チームの気合いは今までにないほどに高まっていました。

 

撮影場所は東芝ブレイブルーパスの聖地

そして、さらに熱いことに撮影場所は、府中にある東芝ブレイブルーパスの練習場。

ここは先日まで放送されていたドラマ「ノーサイドゲーム」のロケ地でもあるんです!

 

 

練習と撮影の合間をぬって、「VR TACKLE CHALLENGE!」の撮影日を調整していただきました。

そして今回、大野選手のタックルを受けるのは、ラグビー経験者でもあり、本人の希望もあって、弊社のインターン君が頑張ってくれましたよ✨

彼がラグビーを始めた時に、日本代表としてピッチで活躍していたのが大野選手だそうで、その大野選手のタックルを受けることができてとても光栄だったそうです。

もちろん怪我などがないように、特殊な方法で撮影しているのでご安心ください👍

撮影中、大野選手がとても気さくに声をかけてくださり、お人柄とサービス精神に感動する撮影だったとか☺

撮影の準備中、CCO丸山とインターン君は、ブレイブルーパスの聖地でパスや走り込みをしてウォーミングアップしていたみたいです(笑)

 

 

タックルの破壊力と反して、優しすぎる大野選手

当たり前なのですが、大野選手のスピード、パワーは本当に凄かったそうで、当たられてないメンバーも怖くなるほどだったそうです。

この迫力をカッコ良く、一般の方々にも体感いただけるように再現したのが「VR TACKLE CHALLENGE!」!!

撮影方法から編集まで、こだわったジョリーグッドクオリティになっています!

限られた撮影時間の中で、何テイクもお願いし、色々なリクエストに快く応えてくださった大野選手の優しさに、撮影メンバー全員メロメロになって帰ってきましたよ(笑)

大野選手!本当にありがとうございました🙌

 

ラグビー実況といえば、この人!矢野アナが実況を担当

コンテンツの迫力をさらに演出するのは、ラグビーの実況ではお馴染みの矢野武アナウンサー!

弊社のビジネスプロデューサー制作ディレクターとの写真も、とっても気さくに応じてくださいました。

そして収録は、実はほぼ一発録り。

お渡ししていた台本を自ら書き起こし、アレンジや修正を加えて読み込んで来てくださったようで、スタジオ入っての1発目が完ペキ!!

制作チームが唖然とするほどのクオリティだったそうです。

その後も何度か読み方を変えて録らせていただき、本当に短時間で収録が終わりました。

 

収録の際には、まずはVRを理解していただくために、弊社の様々なVRコンテンツをご体験いただきましたよ。

大野選手にも撮影前にVRを体験してもらいました😃

ラグビーとは関係のないコンテンツを体験してもらいましたが、お二人とも没入感に感動していらっしゃいました。

 

そして「VR TACKLE CHALLENGE!」は、日本テレビ朝の情報番組「ZIP!」でも取り上げていただきました!

現在も、羽田空港第1ターミナル内「HANEDA Sports」にて無料体験を行なっています。

(※実施期間は11月中旬まで(予定))

まだ体験されていない方は、大野選手のタックルをVR体験して、ラグビーを応援しましょう💪

 

]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/blog/1735/feed/ 0
プリンシパルエンジニア浅川和久:好奇心と行動力で人の役に立つVRを創り出す https://jolic.jollygood.co.jp/person/1723/ https://jolic.jollygood.co.jp/person/1723/#respond Thu, 12 Sep 2019 11:22:28 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=1723 [...] ]]>

社長の要望はいつも難題。でも全く新しいものを創り出す楽しみがある

編集:現在の主な業務は?

浅川:サーバーのシステム構築、CMSの開発を主に担当しています。ざっくり言うとアプリ以外のシステム開発をやっています。

編集: AI開発も担当されたとか?

浅川:ジョリーグッドが独自開発した人工知能エンジン「VRCHEL」(バーチェル)は私が手がけました。これは360°動画に何が写っているか、どんな雰囲気なのかが分析でき、加えて音声解析もできる画期的なシステムです。また、ユーザー視点から行動パターンが検出できるようになっていて、この技術はジョリーグッドが開発した発達障害支援機関向けソーシャルスキル(※1)トレーニングVRプログラム「emou」(エモウ)などにも応用されています。

※1:ソーシャルスキル:対人関係や集団行動を上手に営んでいくための技能(スキル)のこと

編集:「VRCHEL」も上路さんの提案で開発が進んだのですか?

浅川:そうです。当時は写真に何が写っているのか分析するくらいが一般的で、360°動画や画像を解析するAIがありませんでした。でも、上路さんに「360°動画が解析できるといいよね~?」とリクエストされて、開発がスタートしました。

編集:開発時の苦労は?

浅川:いろいろな業務と並行しながら、開発を進めることが一番の課題でした。また、映像を詳細に解析するために、思いつく限りの情報をプログラミングしたけれど、上路さんの要求はさらに上を行くもので、それに応えることが大変でした。

編集:エンジニアとしての資質を成長させる環境ですね。

浅川:その他には、医療VRの分野で実験的な試みも行っています。手術室をCGで再現し、対応したVRゴーグルをつけることで手術室の中を歩いたりしゃがんだりすることができる空間の中を「動けるVR」です。

編集:「動けるVR」とは?

浅川:アバターゲームのようなイメージですね。手術は、執刀医をはじめとする、さまざまな人のチームプレイで成り立っていますが、その現場をCGでつくり、メンバー同士自由自在に動きながら、自分の役割や動きを体験することができます。サービス化されれば、とても有効的な研修システムになると予感しています。

「エンジニアチームが社内で一番賑やか」と言われるくらい賑やかなチーム

編集:革新的な技術を生み出しているエンジニアチームですが、どんな雰囲気ですか?

浅川:エンジニアは寡黙なイメージかもしれませんが、うちのチームはとても和気あいあいとしています。ランチの時はお弁当の話題で盛り上がっていますね(笑)。

編集:いい雰囲気ですね(笑)。

浅川:夜はチームメンバーで会食に出かけることも。ジョリーグッドの社内制度に「メンターご飯サポート制度」というものがあり、入社から6カ月間、新人と先輩の外食代が毎月最大3万円まで補助されます。これを有効活用してメンバーとコミュニケーションを図かりつつ、おいしいものを食べに行っています。最近は部署の縛りもなくなり、他部署のメンバーともこの制度を利用できるようになりました。

編集:そんな時の話題って?

浅川:新しい書籍や勉強会での情報共有ですね。

編集:やはりプログラミングに関係する話題が多いような……。。

浅川:あとは本当に雑談ですが、新しい電子決済サービスやキャンペーン情報なんかもよく情報交換していますかね(笑)。

編集:皆さん、お得な情報が好きなんですね(笑)。いっきに親近感が湧きました。そんなエンジニアチームのモットーは?

浅川:さまざまな展示会に参加してもらい、ユーザーの生の声や反応を体感すること。一般的にシステムエンジニアは社内業務が多く、自分が開発した技術がどんな風に使われるのかわからないことも多いんです。特にBtoBサービスはエンドユーザーの反応が見られる機会は少ないので、重要な機会です。

編集:土門さんも同じことをおっしゃってました。ユーザーの声が直接聞けるのは嬉しいですね。

浅川:私自身も開発のいい刺激になっています。いろいろな意見を聞くことで視野も広がり、新しい発見や開発意欲につながると思いますね。

好奇心旺盛に最新技術をキャッチする人がフィットする

編集:ちなみに浅川さんは展示会で説明するのは得意?

浅川:自分では得意と思っていませんが、システムの説明で困っているスタッフがいたら、サポートに入るようにはしています。ある展示会では、私の地元、秋田の自治体ブースで出展されている方と意気投合し、「うちにもVRあるから、ちょっと見においで!」と秋田のブースにそのまま連れていかれたこともありました(笑)年齢や地域に関係なくVRが浸透してきていることを改めて体感した機会でした。

編集:浅川さんが感じる今後のVRの展望は?

浅川:VRは見るだけではなく、人を助ける技術になると思います。たとえば難しい設定をしなくても、バーチャルなキャラクターが3Dで映し出され、生活や仕事をサポートするようになるとか。SFアニメに出てくるよう技術が一般化されることを期待しています。

編集:浅川さんはどんなエンジニアと一緒に働きたいですか?

浅川:知識や技術はもちろんですが、それより好奇心やチャレンジ精神のある人がジョリーグッドには合うんじゃないかと。上路さんは常に新しいビジネスやサービスを考えていて、求められる技術は私も知らないことばかり(笑)。エンジニアとしてはやりがいのある開発環境なので、そんな状況を楽しみながら取り組める人はフィットすると思います。

編集:なるほど。

浅川:アプリ開発はメンバーが増えていますが、サーバー関連の担当はまだ私ともう1人だけ。なので、一緒に開発してくれる人を募集しています。今はまだ小さな組織で仕事の進め方やチームのあり方もフレキシブルに対応できるので、その部分も一緒につくってくれる人が入ってくれると嬉しいです。

(前編へ)

Profile
浅川和久 Kazuhisa Asakawa
2012年より博報堂DYグループにてソーシャルアカウントを利用したギフトサービスの企画、開発、運用に携わる。 その後、テレビ番組やCMのメタデータを利用した購買データの分析やインターネット広告に関する業務に従事。 2016年に、エンジニアとして株式会社ジョリーグッドにジョインし、サービス開発全般を担当している。

Photo: Jiro Fukasawa

 

]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/person/1723/feed/ 0
プリンシパルエンジニア浅川和久:なんでもやらせてくれる、そしてそれが実際にサービス化される、この環境がやりがい https://jolic.jollygood.co.jp/person/1584/ https://jolic.jollygood.co.jp/person/1584/#respond Thu, 05 Sep 2019 09:28:23 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=1584 [...] ]]>

VR開発会社ジョリーグッドで働くメンバーを紹介するリレー企画「JG PERSON」の第6走者として登場いただくのは、プリンシパルエンジニアの浅川和久さん。CTO(チーフ・テクニカル・オフィサー)の土門広弥さんと並んで天才エンジニアと呼ばれる彼も、ジョリーグッドが生み出す革新的な技術を支えるキーパーソンです。

CEO、CTOとの出会いは大学時代

JOLiC編集部(以下、編集):上路さんと土門さんとは古くからのお知り合いとか?

浅川和久(以下、浅川):土門さんは大学の2つ上の先輩です。学生時代に土門さんがIBC岩手放送でHPの更新などのアルバイトをしていたのですが、大学卒業で辞めることになり、私が引き継いだんです。そこで上路さんと出会いました。

編集:その頃の上路さんのイメージは?

浅川:当時の地方局では、インターネットサービスを提供しているところがほとんどない時代でしたが、上路さんはガラケーでニュースが見られるサービスを構築していました。キー局のようにお金のある環境じゃない中で、すごいことするなと感心しました。

編集:上路さんは当時から新しいサービスに挑戦していたんですね。

浅川:テレビ局員は番組をつくるのが本業のはずが、ITサービスを積極的に手がけていて、最先端を走っていました。でも、アルバイトで働き始めて数カ月で上路さんは博報堂に行ってしまったので、一緒に仕事をした期間は短かったですね。

編集:そうなんですか!?

浅川:実は大学卒業後に私も博報堂DYグループで上路さんと同じ部署に在籍していたのですが、仕事の接点がないので、ここでも話すこともあまりなく、上路さんと一緒に働いたのは、ジョリーグッドに入社してからが一番長いですね。

編集:では一緒に働くのは3度目?今の上路さんは当時と比べてどうですか?

浅川:当時はテレビやラジオという範囲の世界でしたが、今は展示会などで医療から小売りまで、さまざまな業界の人と会うことで、どんどんアイディアが生まれているんだと思います。どの業界にもVRがハマっていくのが面白くてたまらないんでしょうね(笑)。

編集:なるほど(笑)。

浅川:上路さんはもともとアクティブですが、ジョリーグッドの事業が広がるほど、アクティブになっていますね。

編集:博報堂DYグループ時代、浅川さんが手がけたお仕事とは?

浅川:ソーシャルアカウントを利用したギフトサービスの企画、開発、運用に携わった後に、インターネット広告関連の業務に。ユーザー自身の興味や関心、個人情報に基づいたパーソナル広告についての研究を2年ほどしていましたが、心機一転新しいチャレンジがしたくなり留学を決意しました。

今しかできないことをやる。即決で海外へ

編集:どちらに行かれたんですか?

浅川:フィリピンです。いわゆるインターンシップ。28歳の時でしたね。

編集:そんな経歴が!?

浅川:フィリピンの語学学校でWEB制作や運用、管理などをしていました。語学学校で英語を学びつつ仕事ができる環境で、パスポートはあるし、よし行ってみようと(笑)。

編集:行動的ですね。

浅川:ピンときたら迷わず決めます。語学学校ではIT周りのことができる人間は、私しかいなかったのですべて1人でこなしました。

編集:フィリピンにはどれくらい滞在したんですか?

浅川: 10カ月ほどですね。一人で関連業務全てに携われたのも、生活できる英語力が身についたのも収穫でした。

意見はどんどん言う。それが実際に反映されるスピードこそジョリーグッドの持ち味

浅川:日本での仕事を検討し始めた時に上路さんから誘いの連絡がありました。
その頃のジョリーグッドは、メディア向けのソリューションサービス「GuruVR Media Pro」をスタートさせ、放送局など数社に導入されていました。なので、ジョリーグッドは上路さんが得意とする業界で、VRビジネスを進めていくんだと思っていました。

編集:今のジョリーグッドのビジネス展開は予想できましたか?

浅川:全く(笑)。まさか医療の領域にまでサービスが広がっていくとは思ってもみませんでしたが、私自身は上路さんがどんなサービスを生むんでいくのかとても興味があり、それを技術でサポートできることにやりがいを感じています。

編集:入社した頃は、ジョリーグッドもまだ小規模ですよね。

浅川:まだ数名しか社員がいない時代にですが、当時から何か面白いことができそうな可能性を強く感じていました。今までにない新しいことにチャレンジできる環境で充実した毎日が過ごせています。

(後編へ)

Profile
浅川和久 Kazuhisa Asakawa
2012年より博報堂DYグループにてソーシャルアカウントを利用したギフトサービスの企画、開発、運用に携わる。 その後、テレビ番組やCMのメタデータを利用した購買データの分析やインターネット広告に関する業務に従事。 2016年に、エンジニアとして株式会社ジョリーグッドにジョインし、サービス開発全般を担当。
Photo/Jiro Fukasawa

 

]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/person/1584/feed/ 0
真夏のジョリーナイトBBQ! https://jolic.jollygood.co.jp/blog/1633/ https://jolic.jollygood.co.jp/blog/1633/#respond Thu, 22 Aug 2019 11:04:10 +0000 https://jolic.jollygood.co.jp/?p=1633 [...] ]]> ジョリーグッドでは、先日の夏季休暇前に暑気払いジョリーナイトBBQを行いました🍖

今回はその様子をお伝えしますね!

昨年は豊洲で行いましたが、今年は両国の「両国テラスカフェ」で開催しました。

屋根もあって快適✨

お盆前は、台風でちょっと天気が心配だったので、屋根付きで助かりました!

昨年のBBQの様子はこちら

今回のBBQでは、新たにジョリーグッドサポーターに加わってくださったVCのみなさんを中心に、日頃お世話になっているみなさんをお誘いしました😀

今まで関わることのなかったスタッフたちも交流をさせていただき、「みなさんのパワーが凄いですね!」、「本当にみなさん仲が良くてチームワークが良いんですね!」などお言葉をいただきましたよ。

会場は扇風機なども置いてくださっていたのですが、真夏にこの大人数、、、

暑かったです!!

そして外気の暑さに負けないくらい、熱く語り合いましたよ!!👍

良く飲んで、良く話すメンバーたちなので、施設のバーテンダーさんは大忙し!

おいしいドリンクをありがとうございました🙏

BBQのお肉はボリューム満点の分厚さ!会場で用意してくれて手ぶらでBBQができる施設が増えていますが、本当に便利ですね👍

今回はジョリーグッド会場に専属のバーテンダーさんまで✨とても素敵な会場でした!

 

焼き係は、インターン君たちや男性メンバーがスマートに務めてくれましたよ🍖

両国という場所柄相撲の話や、COOがインターンの恋愛相談にのったり、ジョリーグッド内で新たなチームが誕生したり、部署や年齢を大きく超えた交流があったようです(笑)

夏季休暇の前に、暑さを超える熱い会で暑気払いをして、その後はそれぞれ休暇を楽しみました。

お休み明けは、休暇を楽しんだメンバーからのお土産がスペースに置ききれないほどになりました!

今日はすでに新しい撮影やイベントなど、いつもの通りハイペースのスケジュールが始まっています。

これから新しい発表がドンドン控えているので、どうぞ楽しみにしていてくださいね👍

 

ますますチームの結束を深め爆進するジョリーグッドは新しい仲間を募集中です!

興味がある方はこちらをご覧ください😄

 

]]>
https://jolic.jollygood.co.jp/blog/1633/feed/ 0