1930年代のフライトシミュレーターから始まったVR(ヴァーチャルリアリティ)の利用は、かつてのゲームソフトや映画、アミューズメント施設などエンターテインメント分野の利用から、現在ではマンションの間取り紹介や中古車販売など、身近なコンテンツへの導入事例が増えつつあります。
分かりやすく、伝わりやすい3DVR動画を使った新たな可視化ツールとして、市場の拡大が期待されています。
ここではさまざまな端末でVRを楽しむためのVR動画変換ソフトを紹介します。
没入感の高いVR動画コンテンツに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
■VR動画とは
360°の映像を利用した仮想空間の中で、没入感の高い経験が得られるのがVR動画です。
これまで一般的だった2次元のビデオ映像とは異なり、360°の専用VRカメラで撮影した動画を基に3次元CG技術を用いて、仮想空間を創り出します。
自分の見る方向に応じて、視点を変えた視界が広がり、対象物を横や後ろから見たり、手に取るように近づいて見たり、部屋を移動したりすることが可能になります。
このように実際にその場にいなくても、リアルな疑似体験ができるのがVR動画の大きな特徴です。
写真やカタログ、通常のビデオ映像では伝わりにくい、雰囲気や物の質感、シームレスな風景や興奮をリアルに体感できることから、遠く離れた海外の美術館や博物館、街並みや観光スポットなどの旅行体験、臨場感あふれる音楽イベントやライブが自宅にいながら楽しむことができます。
また、普段なかなか体験・再現しづらい災害や事故などを疑似体験することで、危険に対する意識の向上や危険防止、万一災害や事故に遭遇した際の適切な対応方法を経験として安全に蓄積できることも、VR動画を導入する大きなメリットと言えるでしょう。
■VR動画制作の流れ
例えば就職希望者に対する、就労後のミスマッチを防ぐ目的で、企業紹介や職場体験用のVR動画コンテンツを作成しようとした場合、より会社や職場を理解してもらえるようにアピールしたい点や実際の仕事内容、職場の雰囲気を伝える必要があります。
そのためにはどこをどのように見せたら理解しやすいかを精査して、VR動画の流れをまとめたシナリオを作成します。
このシナリオに沿って、必要となる映像を360°のVRカメラを使って撮影します。
イメージするカットをシーン毎に絵コンテやテキストでまとめると、効率良く必要な撮影が行えます。
撮影した3D映像は動画変換ソフトを使って、不要なシーンをカットし、ナレーションやテキスト、音楽などを追加して、より分かりやすい、訴求力・没入感の高いVR動画へ仕上げます。
また、通常の2Dビデオ映像を3D映像へ変換してくれる機能を備え、さまざまな出力フォーマットに対応している点も大きな特徴です。
こうして完成したVR動画を体験するためのHDM(ヘッドマウントディスプレイ)やPCへインストールして視聴が可能になります。
■VR動画変換ソフト7 選
現在、市販されている主なVR動画変換ソフトを紹介します。
・Leawo HD動画変換プロ
https://www.leawo.org/jp/video-converter/
Leawo Softwareの提供する「Leawo HD動画変換プロ」は、2D動画から3D動画への変換機能に加え、3D深度調整機能や字幕や音声トラックを追加する機能を備えています。高速変換や画質の劣化のないロスレス変換が特徴です。価格は3,580円(税込)です。
・4Videosoft Studio.の3D変換
https://www.4videosoft.jp/3d-converter/
4Videosoftの提供する「3D変換」は、直感的なインターフェースを備え、簡単に2D動画から高品質3D動画へ変換してくれるソフトです。3Dモードはアナグリフ、サイドバイサイド(フル幅/ハーフ幅)、トップおよびボトム方式(フルハイト/ハーフハイト)の5つのモードに対応しています。価格は3,580円(税込)です。
・Xilisoftの究極動画変換
http://www.xilisoft.jp/video-converter.html
Xilisoftの「究極動画変換」は、2D動画から3D動画へのコンバーター機能に加え、分割・結合・カット編集機能やウォーターマーク・字幕・音声トラックの追加機能を備えたソフトです。汎用性・操作性に優れ、操作性の高さに定評があります。価格は5,980円(税込)です。
・DVDFabの動画変換
DVDFabの提供する「動画変換」は、ハードウエアアクセラレーション対応した2D動画の3D動画への高速変換機能をはじめ、バッチ処理や変換タスクの最適化により、効率良く変換作業を行います。また、クリッピングやビデオエフェクト、BGMやエンドロール、オープニングの追加などのノンリニア編集機能を備えています。1年間のライセンス利用は5,164円です。
・FonePawのスーパーメディア変換
https://www.fonepaw.jp/video-converter/
FonePawの「スーパーメディア変換」は、リッピング機能に加え、2Dから3Dビデオのコンバージョンや明るさ・コントラスト・彩度・色相・トリミングなどの画質調整、動画や音声のカットや結合機能を備えています。シングルライセンスは5,980円で提供されています。
・iSkysoftの究極動画変換7
iSkysoftの提供する「究極動画変換7」は、画質を落とさずに高速で2D動画を3D動画へ変換するソフトです。他にもカット・トリミング・切り取り・回転などの編集機能に加え、画面の明るさなどの調整機能、字幕や動画エフェクトの追加機能などを備えています。1年間のライセンス利用は5,080円(税込)です。
・Aiseesoftの3D 変換
https://www.aiseesoft.jp/3d-converter/
Aiseesoftの提供する「3D 変換」は、2D動画から3D動画への変換をはじめ、5つの3Dモードへ変換する機能を備えています。変換後の3D動画はAdobe PremiereやAvid Media Composerなどのプロフェッショナルビデオ編集ソフトへエクスポートして再加工することも可能です。
価格は3,680円(税込)です。
■注意事項
取り上げたVR動画編集ソフトは、無料体験版が用意されているものもありますが、機能や利用できる期間・回数が限定されていたりするものもあり注意が必要です。