VR(ヴァーチャルリアリティ)は、制作に使用する機材の進化や低価格化の恩恵により、さまざまな分野や用途で使われるようになり、身近なコンテンツとなりました。
自宅にいながら、地球の裏側にある世界遺産や秘境を訪ねたり、ニューヨークの自由の女神やエジプトのスフィンクスを裏側から見たり、リアルな疑似体験が可能となり、旅行好きの方はもちろん、社会や歴史、視聴覚授業などの学習教材として、今後の利用が増えると期待されています。
ここでは、VR撮影用カメラに関してまとめて紹介します。
VR動画コンテンツの制作に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
■VR撮影とは
従来の2Dカメラを使用した撮影とは異なり、VRならではの奥行きと広がりのある3Dの撮影を行うのがVR撮影です。
2Dから3Dになることで、それまで平面的な表現しかできなかった映像コンテンツが、上下左右、遠近の移動や目標物の裏側から近づいたり、リアルな疑似体験が可能となりました。
このことから、より物事を正確に伝えたり、自分がその場にいるような経験として蓄積することができるため、伝統工芸の匠の技の承継や職場体験、キャンパス体験、労災や事故を再現し、危険意識を高める研修コンテンツ、遠隔地にいながら不動産のモデルルーム体験、旅行の目的地やルートを決める疑似体験など、活用の分野は無限大です。
また、高画質360°VRカメラを使用したスポーツやライブ中継では、会場と一体となった熱気や興奮がリアルに共有できる人気のあるコンテンツです。
また、ポケットやバッグから小型の360°VRカメラを取り出して、何気ない街の風景や愛くるしい動物の様子などをスナップ写真感覚で撮影して、VR動画を素早くFacebookなどのSNSやYouTubeで共有することが可能です。友人や家族、見知らぬ世界中の人とリアルなVR動画を共有する楽しみ方も増えています。
これは数万円の魚眼レンズを搭載したエントリーモデルの360°VRカメラでも、十分にクオリティの高いVR動画が手軽に撮影できるようになった恩恵からです。
ビジネスシーンから個人のホビーユースまで、今後一層VR動画は浸透していくと予想されます。
■VR撮影用カメラまとめ OK
現在さまざまなメーカーから360°VRカメラが製品化されています。
その中から人気の高い360°VRカメラを紹介します。
初心者でも使いやすく簡単に高画質VR動画が楽しめるエントリーモデルから、大規模なライブやセルコンテンツでも活用できる、圧倒的なクオリティを誇るプロフェッショナル向けモデルまで、予算や目的、用途に合わせて最適な360°VRカメラを選んでください。
・Gear 360
https://www.galaxymobile.jp/gear-360/
スマートフォンGalaxyを手掛けるサムソンから発売される「Gear 360」は、丸みを帯びた親しみやすいボディデザインが特徴のモデルです。しかしながら、大きさやデザインからは想像できない、4Kに対応した高機能スペックを備える360°VRカメラです。
実売価格は2万円前後ながら、VR動画を撮影しながら、リアルタイムに共有できるライブブロードキャスト機能を備えています。
・GoPro
アメリカ・カリフォルニア州のGoProが発売するアクションカメラの先駆けとなった人気モデルです。タイムラプス撮影や240fpsのハイスピード撮影、ライブストリーミング機能、10mの防水性能などアクションカメラとして申し分ないスペックを備えています。
また、豊富なアタッチメントが用意されている点も大きな魅力です。現在は4機種がラインナップされ、価格レンジは29,860円から76,000円です。
・GoPro Odyssey
https://japanese.engadget.com/2015/09/09/gopro-16-360-odyssey-180-google-jump-vr/
GoPro HERO4を16台装備した本格的な360°VRカメラアレイです。
プロフェッショナル向けに特化しており、一般の個人ユーザーには販売していません。購入は専用サイトから申込み、GoogleとGoProがコンテンツパートナーと認めた場合のみ購入が可能です。販売価格15,000ドルのまさにプロ仕様の360°VRカメラです。
・RICHO THETA
「RICHO THETA」シリーズは、2つの超広角レンズを搭載し、4Kの高画質で360°全天球動画の撮影ができるハンディタイプの360°VRカメラです。
飽きのこないシンプルなデザインを採用し、ワンボタンで360°VR動画が撮影できる操作性の良いモデルです。
撮ったそばから、theta360.comギャラリーやSNSにアップロードする機能を備え、ホビーからビジネスまで活躍する人気モデルです。
エントリーモデルから、高機能なフラッグシップモデルまで5機種用意され、価格レンジは16,000円から126,900円です。
・Key Mission
https://www.nikon-image.com/products/action/lineup/360/
ニコンの「Key Mission」は、タフなシーンでも活躍する4K UHD対応のアクションカメラです。防水性・耐衝撃性・防塵性・耐寒性が高く、激しいアウトドアスポーツやアトラクション、アクティビティでも、安心して使えるタフな仕様で人気のモデルです。
しかしながら、現在は販売を終了しています。
・iZugar
http://www.izugar.com/shop/product/z4xl/
「iZugar Z4XL」は、広角魚眼レンズ「MKX22」を装着した4台の超小型デジタルカメラ「Zcam E1」を十字に搭載した、プロフェッショナル向けの高精細360°VRカメラです。シームレスでなめらかなスティッチングにより高品質なVR動画を提供します。
価格は4,999ドルです。
・Insta360
ハコスコが販売する「Insta360」はiPhoneやiPadのライトニングポートに直挿しもしくはBluetooth接続で使用する高性能360カメラです。
わずか82gのコンパクトなボディながら、4K に対応し、120fpsのスローモーション撮影やオブジェクト・トラッキング機能に加え、強力なスタビライゼーション機能を備えたハイパフォーマンスモデルです。別売りのアダプターを使用することでアンドロイドにも対応します。iPhoneやiPadに対応した標準モデルは42,999円(税込)です。
■補足
一部のモデルを除き、多くのモデルはシリーズ内でスペックの異なる複数のラインナップが用意されているので、用途や目的に応じて機種を選ぶ必要があります。