現在様々な分野で注目を浴びているVR。どのような活用、事例、どのような企業が関わっているのかという視点で介護VR研修サービスを開発しているジョリーグッドがお伝えします。
◾️VRの現在・普及・期待値
VRというとゲームというイメージですが、最近はVRを使った人材育成などが話題になってきました。VR/AIの市場は2030年までの経済効果は約196兆円にまで及ぶと言われています。
◯2030年までにVR/ARの経済効果がGDPを押し上げる PwCが試算
https://www.moguravr.com/pwc-seeing-is-believing/
海外では、大手企業での研修をVRで行うことも珍しくありません。
◯世界最大の輸送会社FedEx、研修にVRを活用 学習効率や離職率改善に効果
https://www.moguravr.com/fedex-vr-training/
◯火事に悩まされるカリフォルニア、消防士にVRトレーニング導入
https://www.moguravr.com/california-firefighter-vr-training/
◾️そもそもVRとは
VRっは「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」と訳されており、「あたかもその現場にいるような仮想体験」ができます。360度見回せる空間が視覚や脳に錯覚を与え、限りなく現実に近い世界に没入する感覚が得られます。
◾️介護VRの種類
現在介護業界で活用が期待されているVRは大きく分けて3種類あります。
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認知症患者など当事者の視線の体験を行うことができるVR
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教育ツールとして使用される介護VRトレーニング
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過去の記憶を喚起する回想法VR
それぞれ詳しくみてみましょう。
1. 認知症患者など当事者の視線の体験を行うことができる介護VR
認知症の方はどのように世界を見ているのか。なぜ、車からの一歩が踏み出せないのか。どうして介護職員に対して暴言を吐くのか。
認知症の方が身の回りにいる時、このような疑問を感じたことはありませんか。
認知症の中核症状を本人目線で体験することで、認知症に対しての理解を深めることができます。
認知症の方の行動による問題は、周りの人の理解や環境が大きく影響していることが多く、ご本人の体験を通して、どのように声をかけたらいいのか、コミュニケーションを行えばいいのかのヒントを得られると思います。
<認知症体験VRに関連する企業>
◯株式会社シルバーウッド(日本)
https://peraichi.com/landing_pages/view/vrninchisho
2. 教育ツールとして使用される介護VRトレーニング
現在色々な分野でも活用されるようになってきた教育VR。もちろん介護でも普及し始めてきてます。
介護経験がない育成対象者に、介護ノウハウをテキストや口頭の説明だけで、理解させるのは難しいのが現状です。
VRでは現場に入る前に、現場にいるような環境の中で一連の流れや動作の確認ができます。VR内でベテラン介護士の介護技術を介助技術をVRでトレーニングするのはもちろん、
緊急時の対応などなかなか体験できない研修も行うことが可能です。
また、実際に介護される側の体験をVRで行うことで、どのような点に気をつければいいのか気づくきっかけにもなります。
不安払拭や、より良いサービスの提供が短期間で可能となるので、利用者の満足度にも影響するでしょう。
<介護研修VRに関連する企業>
◯株式会社ジョリーグッド(日本)
【介護研修VRサービス ケアブル】
https://carevr.jp/
【受講者の8割以上が効果を実感、VR介護研修サービスが提供開始】
https://www.moguravr.com/carevr-start-service/
ジョリーグッドのケアブルは最高峰の2019年度e-Learning大賞を受賞しています。
【介護研修VR「ケアブル」が日本eラーニング大賞の最高位「大賞」を受賞! 介護、VRトレーニングでの大賞は初!】
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000068.000020924&g=prt
3. 過去の記憶を喚起する回想法VR
こちらは介護施設の利用者の方が使うVRであり、レクリエーションの一つとしても使われてきています。
昔行ったことのある場所や、思い出のある場所をVRで再生することで、回想法の役割を果たし、脳に良い刺激を与えます。
回想法とは昔の懐かしい写真や音楽、昔使っていた馴染み深い家庭用品などを見たり、触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う一種の心理療法です。
実際に介護施設で体験会を行ったところ、出身地の景色が写っているVRを見たことで、今までにないほどお話するようになった認知症の方もいます。
今後回想法の目的だけでなく、認知症の方へのセラピーやQOLを高めるツールとしてなど様々な分野で活躍されることが期待されます。
<回想法VRに関する企業>
◯Virtue(イギリス)
【LookBack: Virtual Therapy for Dementia】
https://www.virtue.io/lookback/ (英語)
【認知症高齢者のQOLを高めるVRセラピー、心疾患を“見て・触れて”理解するVR – 起業家医師から見た医療×VRのいま】
https://www.moguravr.com/vr-therapy/
◾️注目を浴びてる介護従事者研修でのVRのメリット
介護の中でも各分野でVRは普及してきていますが、今回は特に注目されている介護研修VRのメリットをご紹介します。
・没入感がある
目を覆ったゴーグルを使用するので、360度どこを見ても仮想現実の世界の中にいる体験ができます。あたかも現場にいるような感覚になるため、2Dの動画やテキストよりも集中して学習でき、緊急時や災害対応での対応もスムーズに行うようトレーニングが可能です。実際の想像と現実のギャップを埋めるのに最適です。
・記憶力、理解力を向上
VR空間内で能動的に行動するため、より記憶に残るという研究結果がでています。2Dのビデオでは映された内容を受動的に見るだけですが、360度ある空間では自ら見る場所を選び行動するので、能動的に学習を行うことができます。またテキストや口頭で説明されるよりも、実際にVR空間内で見学し、行動する方がイメージもつきやすく理解度も高まります。
◯VRは人間の記憶力を向上させるー米国の大学による調査によって明らかに
https://vrinside.jp/news/post-137977/
・どこでも何度でも体験可能
VRゴーグルがあればどこでも体験が可能です。実際に介護現場に行かなくても、同じような体験が場所にとらわれず、いつでも何度でも体験ができます。またVR空間内でしたら何度でも失敗が許されるので、不安が残る介護技術があれば何回もVRでトレーニングできます。実際の現場に入る前にVRで何度も練習しておくことで、安心して現場で介護やコミュニケーションが行えます。
・トレーナーの負担軽減
今まで人対人で教えていたものや、伝えていたものが、VRで置き換えることが可能になりました。介護指導員の指導能力に寄らず、どこでも同じ教育を受けることができ、指導員の負担も軽減されます。限られた人材と時間のなかでより良いサービスの提供が求められている今、VRが有効となるでしょう。
・不測事態の対応も訓練可能
なかなか普段体験できない緊急事態の対応もVR内で訓練しておけば、実際のケースにスムーズに対応できる心構えと手順が鍛えられます。介護施設での怪我、心肺停止、ノロウィルス感染での嘔吐など、普段出会うことの少ない不測事態が何度も体験可能となります。
◾️介護VRの今後
・介護技能実習生の教育にVRを
今後は日本国内だけではなく、海外の外国人技能実習生の教育にもVRは使われるようになります。日本に来る前に、現地の日本語学校や送り出し機関にて、日本をVRで体験。高齢化が進んでいなく、介護という概念を知らない方でも、VRによって、日本式介護を学び、技能実習生として日本の介護施設で働くことができます。
効果的に学習ができるだけでなく、教える側の負担も軽減され、短期間でより良質な人材を送り出すことが可能となります。
日本国内だけではなく、様々な地域・分野で活用されるようになる介護VRが活躍してきています。VRの研究・開発は進んでおり、今後ますます多くの分野でVRが役立つようになるでしょう。